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ポートアクセス法による手術について教えてください

53 女性
2011年8月26日
13歳の時に心房中隔欠損症といわれましたが、その後は自覚症状もなく、出産も経験しました。最近、動作時に動悸がするようになり、病院を受診したところ、心房中隔欠損の穴が35~40ミリで、肺高血圧症になる手前なので、早く手術したほうがよいといわれました。外科手術であれば、三尖弁の手術も行うとのことです。最近、手術方法として、慶應大学病院が行っているポートアクセス法という身体に負担の少ない手術方法があることを知りました。この手術の利点と欠点を教えてください。

回答

そろそろ手術を行う時期にあると考えます。タイミングを逃さずに最適な手術を早めに受けられることをお勧めいたします。
 
ポートアクセス法による手術について(慶應義塾大学病院心臓血管外科からの回答)。
【入院期間】
ポートアクセス法で心房中隔欠損症と三尖弁の手術を行った場合は、入院期間はおおむね1週間ですが、術後5、6日の入院の後に、早めに専門施設に移って心臓リハビリを1週間くらい行って頂くこともあります。この点に関してはご自身の希望や手術前の心臓の状態を考え合わせて計画することになります。いずれにせよ、ご自宅に戻るのはおおむね7日から10日過ぎといったところです。事務系の仕事であれば大抵の方は術後3週間から4週間を目途に仕事に復帰されていますが、早ければ2週間で復帰される方もおられます。
【ポートアクセス法の利点】
美容上の利点が一番です。とくに女性の場合は乳房の下の皺にそって切開をおきますので、時間が経つと殆ど傷は見えなくなります。また時に命を奪う結果となる胸骨正中切開後の胸骨感染・縦隔感染が皆無であることも大きな利点でしょう。もちろん術後の回復も早く、日常生活に戻られるのも格段にはやくなっております。
【ポートアクセス法の欠点】
若干手技が難しくなることが欠点といえば欠点ですが、我々の施設では既に正中切開と変わらないと感じております。

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