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疾患別解説

小児の心室細動

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.5730

14歳、 男性: 心室細動

14歳の子どものことで相談いたします。生後6ヶ月頃、劇症型心筋炎になり心臓の肥大化と線維化が残りました。その後は大きな症状もなく、少し運動制限等をしていたくらいですごしていました。
昨年の夏と冬に、ちょっとした運動後、心肺停止となり、二度ともAEDで蘇生されました。その後、ICDの埋め込み手術を実施し、先日も心室細動が発生し、意識を失いましたが、ICDが作動して意識を取り戻しました。
そこで、相談ですが、ICDと薬物治療(先日、ワソランからソタロールに変更しました)は行いながら、心室細動の発生原因の追究と、根本治療のわずかな可能性のために、最新検査・治療はできないものでしょうか。
また、運動中・運動の跡に頻脈となり、それが心室細動につながっている可能性があるので、それを治療できないものでしょうか。
薬剤を変更しましたが、原因が不明であるのに薬を変更していく有効性があるのでしょうか。副作用が心配です。
よろしくお願いいたします。

日本心臓財団からの回答

心室細動の原因として考えられることは以下のようなものがあります。

1)心筋炎の後遺症として、広範囲な左室の障害と機能不全があり、収縮力の低下と心室頻拍・心室細動を伴うもの
2)心筋炎の後遺症としては、障害が少ないものの、心室頻拍を引き起こす回路が存在し、非常に速い脈拍の心室頻拍をおこすために心室細動へ移行するもの
3)心筋炎とは全く関係なく、特発性で心室細動を引き起こす不整脈(ブルガダ症候群、QT延長症候群、カテコラミン誘発性多型性心室頻拍、その他)によるもの

心臓の動き自体は悪くないとのことですので、2)か3)が考えられると思います。

2)の場合、心室頻拍への治療を考えると、薬物治療かカテーテルアブレーションになりますが、アブレーションの場合、心筋梗塞後や心筋症と同様に発作中の血圧の低下や、心外膜側に原因がある場合などがあり困難であることが多いと思います。また心外膜側起源の場合には、現在日本で使用できるカテーテルでは効果、安全性の面から問題があり、また他の方法ですと、胸から心臓の外にカテーテルを挿入して行うことも報告されていますが、行っている施設は限られています。

3)の場合には、運動負荷テスト、薬物負荷テスト、心臓電気生理検査、遺伝子解析により診断を進めますが、遺伝子解析を行っている施設は少ないために、そういった施設に検体を送ってお願いする形となります。

薬物治療に関しましては、原因が分かればそれに効果があるといわれる薬物が使用されます。原因が分からない場合には困りますが、心室細動を起こしている場合には突然死の危険があるため、成人では一番効果が期待されるアミオダロンという薬が使われることが多くなっています。
しかし副作用もソタロール以上に心配なため、長期間使用する若年者では同じ系列の薬で副作用の少ないソタロールを使用されることが多いと思います。効果のない場合には、投与量が少ないためか、薬が合っていないかを検討して、後者の場合には他の薬に替えていきますが、催不整脈作用、心機能抑制などの副作用に注意して検討しています。

運動時に起こる不整脈に対しては厳格な運動制限と、運動時にも心拍数を上げないようなβ-ブロッカーなどの薬が基本になります。ただ現在使用しているソタロールにもβ-ブロッカーと同じ作用がありますので、追加するかどうかは、副作用の徐脈、心機能抑制作用などを考慮して使用することとなります。

2008年5月25日

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