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ブルガダ症候群に対するICD適応のガイドライン

42歳 男性
2008年5月20日

健康診断で心電図にブルガダ波形の疑いありと診断され、病院にて精密検査をするよう勧められました。
先日、運動負荷検査、電気生理学的検査を受け、狭心症等なく正常であるとのことですが、電気生理学的検査では、心室細動の不整脈が誘発され失神が認められました。親戚に突然死の家族歴もあることからICDの植込みを勧められました。
今まで、自覚症状もなく心臓も正常であるとのことで、ICDをするべきなのか悩んでおります。ICDをすることで、生活の制限や身体の負担等を考えると不安もあり決断できない状態です。ぜひ、先生方のご意見を拝聴したいと思いました。

回答

心電図でブルガダ症候群を疑われた人にどこまでICDを入れるかという問題は非常に難しい場合があります。
ご存知のようにブルガダ症候群には心停止があって蘇生した例から、まったく症状のない例まで多くの型があり、すべての人にICDを勧めているわけではありません。その適応に関してはごく最近日本での最近日本でのガイドラインが出たばかりですので、以下に記しておきます。

クラスI(ICDの適応について意見の一致が得られている)
(1)心停止からの蘇生例
(2)自然停止する心室細動、多形性心室頻拍が確認されているもの

クラスII(ICDに適応について意見が一致していない)
ブルガダ型心電図を有するもので
(1)失神の既往のあるもの
(2)突然死が家族歴にあるもの
家族歴は三親等以内、突然死は夜間の安静時に起こっている場合
(3)心臓電気生理検査にて心室細動が誘発されたもの

IIa 上記(1)(2)(3)の2つ以上があるもの
IIb 上記の1つがあるもの

心電図は拝見していませんが、この場合は恐らくⅡaに該当するのではないかと思います。

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