高血圧と心臓病
高血圧と心臓病 |
監修: 竹下 彰先生(九州大学医学部循環器内科教授) |
心臓病の危険因子・高血圧 |
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高血圧は自覚症状がないため、米国では「サイレント・キラー(静かなる殺人者)」と呼ばれています。それは高血圧が突然死を起こす心臓病や脳卒中の重要な危険因子であるからです。このことは、米国のフラミンガム・スタディ(長期間にわたるフラミンガム地区の住民を対象にした心血管系疾患の危険因子を探る調査研究)や九州大学が行っている久山町の調査などで実際に明らかにされています。 |
![]() 高血圧は,血圧以外の危険因子が重なると心臓病に対する危険度が高まります。WHO/ISHでは,高血圧とその他の危険因子を併せて,脳卒中・心筋梗塞を起こす危険度を表にしています。 |
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高血圧は心肥大・心虚血を招く |
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心臓病の予防──高血圧を放置しない |
![]() 心肥大があっても、高血圧同様、初期は自覚症状がないため放置されがちです。心肥大の治療は高血圧を何年も放置したことにより起こってきたのですから、高血圧治療を根気よく継続することで心肥大の退縮も望めます。不幸にして心肥大があり、虚血性心疾患がある人は、適切な治療薬がありますから、医師の指示にしたがって治療するようにしてください。 |
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ONE POINT:高齢者高血圧の注意点
高齢者の高血圧の特徴の1つに拡張期血圧(下の血圧)はほぼ正常値を示しても、収縮期血圧(上の血圧)だけが基準より高いという場合がよくみられます。この場合も当然治療は必要です。
高齢者の高血圧では血圧の調節がうまくいかずに、起立性低血圧(立ちくらみ)、食後低血圧、入浴後低血圧など起こしやすくて危険です。十分注意してください。また降圧薬を服用する場合は、ゆっくりと少しずつ目標の血圧値までさげることが大切です。