世界ハートの日
世界心臓連合事業は世界における心臓病と脳卒中の予防を推進する
当財団では8月10日が810(ハート)と読み取れることから、1985年にこの日を「健康ハートの日」と定め、一般の方に循環器疾病に関する正しい知識の普及啓発を進めてまいりました。
世界心臓連合は2000年に9月の最後の日曜日を「世界ハートの日」と決めました。
世界心臓連合World Heart Federation, WHFは1946年に設置された国際心臓協会International
Society of Cardiologyに始まる。1978年、国際心臓協会と国際心臓連盟International Cardiology Federationが統合されて国際心臓連合International Society and Federation of Cardiology,
ISFCとなった。
世界心臓連合――その背景――
1998年、リオデジャネイロでの世界心臓学会のおり、国際心臓連合は世界心臓連合となった。これは単に名称の変更にとどまるものではなく、2001年に始まるわれわれの使命、「世界心臓連合は、心臓病と脳卒中の予防と管理を通して、とりわけ低収入の国々の人々が長く、よりよい生活を享受できるように援助する」という事業達成に向けての第一歩を意味するものであった。
この新しい目的は世界心臓連合をして世界的な広がりをもつ指導的な国際的非政府組織として心臓血管疾患制圧に乗り出させるものであった。世界心臓連合の事業は世界保健機構の事業と密接に関連している。世界心臓連合事業の中心となるのは、医師、ヘルスワーカー、患者、一般市民がもつ関心に科学的かつ実務的な勧告を与えることである。学会や財団から構成される世界心臓連合はこの目的のためには恵まれた立場にある。世界心臓連合は90の心臓学関係学会、4大陸の学会連合、54の心臓財団、4つの大陸心臓ネットワークを構成組織とする。財団は慈善団体ないしは患者あるいは一般市民を代表する個人の集まりである。援助あるいは予防計画については行政機関ばかりでなく、患者、一般市民からの支援が必要であるということは世界的に認められつつある。一般市民を納得させ得ない予防計画は失敗する。
世界心臓連合はまた、援助、教育、研修、研究の推進組織でもある。科学諮問委員会は、例えば、国際間の学会活動を心臓血管疾患予防活動に向けて統合するものである。これは、高血圧、動脈硬化症、基礎科学、薬理学、小児科学などの分野で行われている。疫学、リウマチ熱、臨床心臓病学などに関する委員会も設けられている。
世界ハートの日――その起源――
世界ハートの日は世界心臓連合が主導するもっとも成功した行事である。これは1997年から1999年にかけての世界心臓連合ルナ会長の構想によって誕生した。
世界保健機構の世界保健報告2002は開発途上国における心臓血管疾患に関連する6つの危険因子を挙げた。高血圧、高コレステロール血症、喫煙、飲酒、果物・野菜不足、肥満である。
しかしながら、心臓血管疾患は開発途上国の健康政策の対象とはなり得ず、国際機関の多くは感染性疾患に関心をもちつづけている。開発途上国の健康政策を非感染性疾患、すなわち、心臓疾患、脳卒中、癌の予防へとひろげるべきときである。心臓血管疾患の予防のための投資は発展国においては心臓血管疾患死と罹病率を減少させることで十分に償われるものであり、開発途上国においても同様にいえることである。
この意味において、世界ハートの日はよい機会である。終日を心臓血管疾患の予防活動に費やすことは一般市民、政策担当者、健康事業従事者に対して情報を提供し、意識を深め、支援する上で、有意義なことである。
世界ハートの日――その発足――
世界ハートの日は財団、学会の各位と協議の上で、1998年に発足した。この日は毎年9月の最終日曜日と決められた。公式的には2000年の発足となっている。1999年にはキャンペーンの準備が進められ、世界保健機構、国際連合の教育・科学・文化機構(ユネスコ)の後援が得らることになった。1年目の標語は「拍動させよ」であり、心臓血管疾患予防のための身体活動の重要性が強調された。
2000年9月の最終日曜日はシドニーのオリンピックのときであった。このため、世界心臓連合はスペインのソフィア女王、国際オリンピック委員会のサマランチ委員長の支援を得て、世界ハートの日のキャンペーンを開始することができた。バルセロナはソプラノ歌手カバイユとフラメンコ舞踊家コルテスの歌と踊りをもってこの一日を飾ってくれた。これについての報道関係の反応は迅速、かつ大きいものであった。
世界ハートの日――その影響――
2001年と2002年のテーマは「生命のためのハート」として心臓血管疾患の予防ばかりでなく、すべての年齢層の、あらゆる場合における健康推進に重点をおいた。2003年のテーマは「女性と心臓病」であり、2004年のそれは「若さを」である。
世界ハートの日参加者の2000年から2002年にかけての増加
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2000年
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2001年
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2002年
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| 各国の参加者数 |
63
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88
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90
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| 参加機関 |
103
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120
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147
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| 国際報道機関 |
1
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4
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6
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| 報道機関 |
記録なし
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5千万
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5億
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| 善意大使 |
なし
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なし
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ファットとロナルド
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| 配布冊子 |
記録なし
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1,129,350
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記録なし
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| ターゲット人口 |
3,321,309,000
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3,816,071,000
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3,924,758,000
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| ウエッブ数 |
300,000
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450,000
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1,000,000
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世界ハートの日の活動は表にみるように、ここ3年の間に急速に成長した。2002年に事業へ参加したのはアジア太平洋地域では18カ国、ヨーロッパで37カ国、アメリカで22カ国、アフリカで11カ国、中東では2カ国であった。
世界ハートの日には各国において、さまざまな行事が学会や財団との密接な協力の下で行われている。内容的には走ること、スポーツ、演劇、大道での催し、ダンス、サイクリングなどが公共の広場や学校、病院などで行われている。
世界心臓連合は各国の事情に応じた活動を可能とするために、さまざまな情報を提供している。世界ハートの日の冊子、ポスター、それらのCD-ROMなどを用意している。世界心臓連合の役員たちの講演のビデオ記録などもあり、世界ハートの日のウエッブ・サイトでみることができる(http://www.worldheartday.com).
サイトには2002年には100万人以上の訪問者があり、前年度を30%上回るものであった。
各国政府は国民に心臓病と脳卒中の危険因子に対する認識を深めさせるべく努力しているが、経費に比して効果は乏しい、しかしながら、世界ハートの日は少ない経費で一層大きい効果を狙うことができるものである。世界では死亡の3分の1が心臓血管疾患であるのに、開発途上国ではこれが80%にも及ぶと知ることは大きな驚きといえよう。
世界ハートの日――その未来――
開発途上国においては感染性疾患と心臓血管疾患の二重の負荷がある。国の経済的な発展と文化、健康は緊密に絡み合っている。開発途上国における心臓血管疾患を健康政策の課題とさせるために、国際敵な健康機関としての世界心臓連合の指導的立場は極めて大事である。
世界ハートの日は一般市民と行政の結合を計るものである。世界心臓連合は世界保健機構と協力して各国政府の取り組みを推進することとしている。
世界心臓連合は世界ハートの日を例年の行事としている。テーマは毎年、変わるであろう。世界心臓連合は各国の学会、財団の市民レベルの健康増進、疾病予防活動を支援する。これらの活動は継続されることが重要である。活動の焦点は動脈硬化性疾患からさらに予防し得る心疾患、例えば、シャガス病、リウマチ性心疾患などに広げることが可能である。世界ハートの日キャンペーンの経験はさらに広い意味の非感染性疾患や慢性疾患の予防・管理へと応用されるであろう。
世界心臓連合の活動はこのような使命にもとづく。各国政府機関の健康政策に影響力を発揮しながら、人々の生涯を選択し、決定するのは結局は個々の人々自身であること、人々の生活習慣である、ということをわれわれは忘れてはならない。
文章作成関係者名:省略
Special Report: Circulation 2003;108:1038-1040(要約)
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