コレステロールの値が高いと、なぜいけないのですか?

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動脈硬化とコレステロールが、深く関わっているからです。動脈硬化は、かゆ状ともいわれます。大動脈、心臓に栄養を送っている冠動脈、脳に向かう脳動脈など大事な動脈に、おかゆのようなカスがたまり、固く、弾力を失うと同時に狭くなって、血液の流れが悪くなり、ひどいときには完全に血流がなくなってしまう状態をいいます。

血管壁には分厚くコレステロールなどのかすが貯まって肥厚してきます。

この動脈硬化の進展のメカニズムは完全に解明されているわけではありませんが、多くの研究者に広く受け入れられている学説は"障害ー反応説"というもので、血管に傷ができ、それを治そうとする反応が起こり、その繰り返しによって動脈硬化になる、というものです。この過程で、コレステロールが血管の壁に蓄積されていくわけです。

動脈硬化にならないようにするには?

こういう因子を持っていると冠状動脈硬化になりやすい、というものがある程度わかっていますから、それらを持っている人は注意をする、と同時にその因子がひとつでも減るように努力、治療をすることが大切です。これらの因子を「冠危険因子」と呼びますが、その代表がコレステロールです。
その他の冠危険因子としては年をとること、性別があります。男性のほうが動脈硬化になりやすいのですが、女性が動脈硬化に強いのは更年期までで、その後は男性に追いついてしまいます。その他高血圧、糖尿病、肥満、タバコ、身内に狭心症や心筋梗塞のかたが大勢いること、仕事に追われることを好むモーレツ型の性格、などが冠危険因子です。
最近はHDLコレステロールも同時に測定することが多くなりましたが、このHDLはからだの各部分から余分なコレステロールを引き抜いて肝臓に送り返す役割をもっています。いわゆる「善玉コレステロール」です。このHDLが少ないことも冠危険因子のひとつに数えられます。
大事なことは年齢や性別以外の危険因子はみな、努力によって改善することができるということです
危険因子がたくさんあればあるほど動脈硬化は進みやすいのですから、コレステロールさえ下げればよい、とは考えないでください。


検診でコレステロールが高いと言われましたが?

コレステロールが高くなればなるほど心筋梗塞で亡くなる人が増えることは多くの調査で証明されていました。そして、最近10年くらいの間に、とくに心臓病による死亡率の高い欧米で、コレステロールを治療によって低下させるとどうなるか、という研究が数多くの人を対象にして、いくつも行われました。

それらの研究の一致した結論は、コレステロールを下げると動脈硬化の進行を遅らせることができ、また心筋梗塞の発症も減らせる、というものです。たとえ動脈硬化があってもコレステロールを下げると、その動脈硬化をおこした部分からコレステロールが引き抜かれるために、そこが安定した線維成分に置き替わり、心筋梗塞になってしまうことを防げるのではないか、とも言われています。

コレステロール値は、どれくらいならよいのでしょうか?

普通、コレステロールの値は血液1デシリットルあたりなんミリグラム含まれるか、というように表されます。230といえば、血液1デシリットルのなかにコレステロール230ミリグラム、ということです。

アメリカと日本の基準はすこし違いますが、日本では基準値を220に置いています。220から240位が境界値になります。治療の目標値は200です。 

コレステロールの高い人が全員心筋梗塞になるわけではありませんし、コレステロールが低くても心筋梗塞になる人もあります。これはタバコと肺ガン、血圧と脳卒中の関係と同じです。

しかし、危険は少ないにこしたことはありません。とくに危険因子をたくさん持っている人や、すでに心臓に問題をかかえている人の場合は治療すべきでしょう。

どうすれば、コレステロールの値を下げられるでしょうか?

コレステロールの高い人のなかには、甲状腺の働きが悪い人などがあります。こうした人々は、その原因になっている病気の治療をすることが先決です。

糖尿病のために代謝全体の調子がおかしくなり、コレステロールも中性脂肪も高くなっているかたも多いのですが、この場合も糖尿病のコントロールをきちんとすればコレステロールは下がります。 

最近は成人病という言葉に代わって生活習慣病、という言葉が使われるようになっています。コレステロールの値も深く生活習慣と関わっていることが多いのです。バターや卵、肉類などコレステロールをたくさん含む食品やカロリーの採りすぎ、運動不足、ストレス、タバコなどが皆コレステロールを上げる方向に働きます。 

ですから逆にこれらを制限していれば、コレステロールを下げることができるという訳です。

赤ワインと動脈硬化について

赤ワインが動脈硬化を防ぐ、ということが医学の専門誌でも話題になりました。

昔からイギリスや北欧などに比べてフランスやイタリアなどでは心筋梗塞で亡くなる人が少ないことが知られていましたが、これは赤ワインに含まれる抗酸化物質(ポリフェノール)のせいだ、というのです。コレステロールは酸化されると血管に蓄積しやすいので、これを防ぐことができれば動脈硬化になりにくい、だからワインの消費量の多い南ヨーロッパでは動脈硬化が少ない、という訳です。 

しかし、赤ワインでなくても、カロリーや油が少なく、食物繊維をたくさん含む伝統的な日本食はコレステロールを下げるのには最適です。また、緑茶にもポリフェノールはたくさん含まれています。実際、ワインの消費量の多いフランスよりも、日本のほうが、更に心臓病で亡くなる人は少ないのです。

コレステロールを下げる薬について、教えて下さい。

もちろん薬を使う場合も食事療法は基本ですから、めちゃくちゃな食事をしていても薬を飲んでいればよい、というものではありません。

最近はコレステロールを下げる作用が大変強く、副作用も少ない薬がたくさん開発されたので、従来よりもコレステロールを下げることは容易になりました。 

食事療法だけでうまくコレステロールが下がらない場合はそういう薬を使うことになりますが、長い間飲み続けるものですから、ときどき副作用がないことをチェックする必要があります。

コレステロール低下のために用いられる代表的な薬の一覧表を示します。

商品名

用量

副作用

1. スタチン系

メバロチン

10-20mg

胃腸障害、肝臓障害、CPK上昇、ミオパチー

リポバス

2.5-5mg

リピトール 10-20mg

2. 陰イオン交換樹脂

クエストラン

8-12g

便秘、悪心、肝臓障害、CPK上昇、脂溶性ビタミン・葉酸吸収障害

3. プロブコール

ロレルコシンレスタール

500-1000mg

胃腸障害、肝臓障害、CPK上昇、QT延長

4. フィブラート系

アモトリール

750-1500mg

胃腸障害、肝臓障害、性欲低下、CPK上昇、ミオパチー

コレソルビン

750-1500mg

アルフィブレート

1500mg

リポクリン

600mg

ベザトール

400-600mg

5. ニコチン酸系

ナイシン

2-3g

かゆみ、熱感、紅潮、口渇、耐糖能低下、胃腸障害、尿酸値上昇

コレキサミン

600-1200mg

ペリシット

750-1500mg

ユベラN

300-600mg


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