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疾患別解説

川崎病罹患後の僧帽弁閉鎖不全

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.6306

1歳、 男性: 僧帽弁逸脱

生後、4か月にて川崎病にかかり、1週間ほど入院治療をして退院しました。冠動脈病変等の心臓合併症を認めませんでしたが、発症2か月後、僧帽弁逸脱が出現しました。その後も逸脱の程度が憎悪し、発症8か月後の定期検査にて僧帽弁の穿孔がみられました。急激な僧帽弁破綻を懸念し1週間入院管理後、急変のリスクのため、僧帽弁修復術を受ける予定なのですが、1歳の子どもに手術のリスクと負担を掛けさせること、そして何より普通に元気なのです。主治医の先生からは心臓に爆弾を抱えている状態だからと言われ、もし破裂すれば医師が目の前にいても助からないとも宣告されました。私達素人の観点からすれば手術をすることが子どもを助ける最良の方法なのかどうか悩んでいます。

日本心臓財団からの回答

症状もないのに、心臓の手術を奨められ、ご家族のとまどいが大きいことと拝察いたします。
まず、僧帽弁逸脱、僧帽弁閉鎖不全の原因に関してですが、川崎病で冠動脈の合併症がなかった場合でも、僧帽弁閉鎖不全を生じる事はあります。僧帽弁自体に炎症(弁膜炎)を起こしますと閉鎖不全を伴います。ただ、この場合は、あまり高度の閉鎖不全になることは少ないと思います。生まれつき僧帽弁の形の異常があり、これが、徐々に進行した可能性もあると思われます。しかし、原因は別としても、僧帽弁の穿孔とのことですので、閉鎖不全は急激に進行していると考えなければなりません。薬剤も多く使われています。一般的に、閉鎖不全が、ある程度以上あっても症状(多呼吸、発育不良など)を伴うことは少ないと考えられますが、成人の場合でもそうですが、いったん心不全が生じてきますと急激に状態が悪化します。心臓の筋肉も痛んでしまいます。そのような状態になってからの手術は、手術自体の危険率が高いだけではなく、手術後も心臓の筋肉の回復を望めない場合も少なくありません。そこで、僧帽弁の閉鎖不全の程度、進行具合から、このような経過が予想される場合は、症状が無い段階で予防的に手術を行うことが普通です。手術の危険率が低いですし、何より手術後の心臓の働きが良い事が大きい利点です。特に子どもの場合には、これから一生は長いので、早い時期に直してあげることが、将来のことを考えると、非常に大切です。
 
僧帽弁の変化の具合、原因などによりますが、手術は、弁の形を直す形成術と弁の形を直すだけでは、直せないために人工弁を使う場合があります。手術方法による利点欠点はありますが、主治医の先生に良くおたずねになることが大切です。いずれにせよ、術後しばらく経過すると、元気が戻り、薬剤の投与も少なくなります。また、元気な状態を維持できる事になります。

2009年7月22日

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