日本心臓財団HOME > 心臓病の知識 > 疾患別解説 > 動脈・静脈疾患(動脈瘤、静脈瘤、動脈解瘤)とは > 動脈・静脈疾患(動脈瘤、静脈瘤、動脈解瘤) 相談と回答 > 腎動脈瘤の手術適応

疾患別解説

腎動脈瘤の手術適応

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.8345

67歳、 女性:

母がCT検査で右腎臓動脈瘤を指摘されました。
大学病院を紹介されて受診したところ、腎動脈瘤13mm で経過観察をして行き、20mmを超えたら摘出手術をしましょうと言われました。
セカンドオピニオンで、他の心臓血管科を受診したところ、造影CT検査により右腎臓12ミリの動脈瘤、形からみてカテーテル治療でコイルを瘤に入れる治療が可能。その場合、右腎臓の4分の1ないし3分の1の機能が失われることがあるが、今の腎機能的には悪くはないとの事でした。
現在、軽い糖尿病と高血圧で薬物治療中ですが、安定しています。
大学病院では経過観察後の摘出手術を、他の病院ではカテーテル手術を勧められたわけですが、両方の治療のメリット、デメリットをご教示いただけますか。
また腎動脈瘤の標準治療はどのようなものなのでしょうか。
日本心臓財団からの回答
腎動脈瘤の治療方針は、(1)動脈瘤のある場所(大動脈から出ている腎動脈の部分か、腎動脈が腎臓に入るところで枝分かれしますが、その枝のところかなど)、(2)大きさと形(紡錘形か嚢状(袋状)か)、(3)原因疾患(動脈硬化か、血管炎など他の疾患か)により異なってきます。なるべく侵襲の少ない治療法を選択すべきですので、カテーテル治療を優先して検討し、カテーテル治療が困難あるいは有効性が乏しいと判断される場合に、手術を選択するというのが合理的な考え方と思います。手術のやり方も様々ですが、これは、外科医の判断になります。したがって、治療方針は、実際の画像(造影CTなど)を見て判断する必要がありますが、メールから分かる範囲でお答えをいたします。
お母様はご高齢ですので、おそらく原因は動脈硬化と思われます。一般的には20mmで破裂の危険があるといわれていますので、その前にカテーテルによる治療を行う方が良いとは思います。なるべく早く行った方が良いか、もう少し待っても良いか(例えば20mmになるまで待って)、などの時期に関する判断は、画像から破裂の危険がどの程度かを評価して考えるべきです。一般に、動脈瘤が嚢状(袋状)の方が紡錘形よりも破裂の危険は大きいです。
コイル塞栓術を行った場合、右の腎臓の4分の1から3分の1の機能が失われる、と言われていることから、動脈瘤は腎動脈の枝分かれした先にある可能性があります。現在、左腎の働きが正常であれば、右腎の働きの4分の1ないし3分の1が失われても、普通の生活をしていく上では問題ありません。
動脈瘤の治療方針は『放置することによる破裂の危険と治療による体への侵襲の危険』のバランスにより決定されます。放置することによる破裂の危険がどの程度か、カテーテル治療による体への侵襲の危険がどの程度か、手術による体への侵襲がどの程度か、ということが治療の時期と治療の方法を決める上で重要です。最終判断は、お母様の状態を良く分かっている受け持ち医とよく話し合って、決めていただきたいと思います。

2013年11月28日

この回答はお客に立ちましたか?

公益財団法人 日本心臓財団への寄附

ご寄付のお願い