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疾患別解説

解離性大動脈瘤に対する人工血管とステントグラフトのメリット・デメリット

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.7387

60歳、 男性: 大動脈解離(3b)

4年ほど前に下行大動脈から足の付け根付近まで解離を発症し、1ヶ月間入院(手術なし)後、年に4回程度通院し内服薬を服用しています(現状は偽腔開存型)。また年に1~2回CT検査を行っており、現在の大動脈の最大径は下行大動脈部分で59ミリと限界に近い状態です。
主治医より、そろそろ手術を考えたほうがよいといわれ、その際人工血管への置換のほかに、場所的に若干困難があるかもしれないがステントグラフトの使用も可能と思われる、とのことでした。
私としては、できるだけ負担の軽いステントグラフトを希望しています。
1)人工血管とステントグラフトのメリット・デメリット、および手術の危険性について教えてください。
2)術後の生活上の制約はありますか。
3)解離または動脈瘤の再発の可能性はありますか。
日本心臓財団からの回答
1.人工血管とステントグラフトのメリット・デメリット、および手術の危険性について。
 下行大動脈の慢性解離性大動脈瘤と考えられ、径59ミリは治療の適応となります。
 人工血管は大きな手術が必要ですが、一端手術が成功裏に終わると多分そのままで再手術の可能性は少ないと思います。手術の危険性は症例にもよりますが、現在5%以下で3%ぐらいではないかと推定されます。
 ステントグラフトはカテーテルで行う手術ですので、短い時間で済みますし、短期間で退院できます。
 しかし、スタントグラフトの端から大動脈瘤内へ血液の漏れ(リーク)や、将来ステントグラフトが少し移動してリークを起こしたりする可能性があります。そのような場合、再度ステントグラフトを挿入しなければならないこともあります。
 ステントグラフトに適している解剖学的所見があることが大切だと思います。
 
2.以後の生活上の制約について。
 術後しばらく経つと、ほとんど生活上の制約は、どの方法でもうまくいっていればありません。血圧のコントロールはどの場合も必要です。
 
3.解離または動脈瘤の再発の可能性について。
 下行大動脈の大動脈瘤ですと、将来上行大動脈に解離が起こる可能性はあります。血圧のコントロールができていれば、その可能性は低くなります。
 
以上、実際のCTを見ていませんので、一般論としての回答です。

2011年10月27日

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