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疾患別解説

弁置換後の大動脈瘤手術と血栓のリスク

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.5870

53歳、 男性: 大動脈瘤

18年前、弁を人工弁に交換してから数年後、カテーテル検査で心臓の大動脈に53mmの大動脈瘤が確認されました。外科医の話では、まだ手術をしなくとも大丈夫ということで、手術をしませんでしたが、最近の検査では60mmになりました。

それから、調子が悪いのでたまたま、別の循環器のクリニックで心エコーを撮ってもらったところ、70mmにまでなっていました。
かかりつけの病院では、70mmになっていることをまだ知らず、60mm時には手術はまだしなくて大丈夫ということで、様子をみることになっています。手術をしない理由は、弁を人工弁に交換しているので、大動脈の手術をした後に血栓が脳に詰まり、脳梗塞になる可能性が高いとして、手術に踏み切れない様子です。

このまま今の状態を維持していていいものでしょうか。

日本心臓財団からの回答

まず、貴方がお受けになった人工弁による置換手術は生体弁でなくて機械弁であると推測いたします。また、心臓の大動脈と言われるのは、恐らく心臓に近い部分の大動脈と理解致します。そのような前提でお答え致します。
 
最近の検査で大動脈瘤が60mmであったのが、個人病院でエコーを撮ってもらったら70mmになっていたということですが、その間の期間が数ヶ月くらいのことであれば、60mmが70mmになるということは極めて稀です。ということで、どちらかの数値が不確かであると思います。70mmのほうが正しければ、明らかに手術適応であると思います。かかりつけの病院で同じ結果であっても手術を先に延すようなお考えであれば、一度すべてのデータを借用して、他の病院で正確なセカンドオピニオンをもらわれるのが良いと思います。

確かに手術直後に血が固まらなければ手術を終えることができませんので、ワーファリンを一度中断して、血の固まりをよくする必要があります。しかしそれはきわめて短い時間のことで、再びワーファリンを使用することが出来ますので、それほど長期間、血栓が出来る危険に晒されることは無いと思います。

例をあげますと、人工弁を植える手術でも手術中はヘパリンを使って血が固まらないようにして手術をします。そして手術が終わって完全に止血されてからワーファリンを始めるのです。従って確かに人工血管を使う手術ではありますが、それほど特別に血栓の形成を恐れることは無いと思います。もっとも人工弁を植えられてから既に18年経過していますので、もし心臓に直接つながっている部分の動脈に瘤が出来ているのであれば、この際もう一度18年前に植えた人工弁がどのような状態になっているか調べて、場合によってはその植え替えを考えるのも選択肢の一つになり得ると思います。

まずはかかりつけの病院でもう一度精査してもらい、場合によっては他の病院でセカンドオピニオンをもらわれることが良いと思います。

2008年8月19日

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