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胸部、腹部大動脈瘤の手術の危険率

75歳 男性
2006年8月12日

75歳の父について相談します。
先日、血管造影CTの結果、胸部に55mm、腹部に43mmの大動脈瘤が発見されました。背中の痛みが自覚症状としてあります。また、高血圧、高脂血症、心房細動、心臓肥大、食道潰瘍の既往症があります。医師からは手術をするかどうか、こちらで判断するように言われました。
破裂したら死亡は免れませんが、手術中の死亡率20%、助かっても下半身麻痺の確率50%という危険な手術を75歳でするべきかどうか、家族としてもまた本人も判断しかねています。とりあえず10月に再度造影CTを行うことにしていますが、背中の痛みを訴えるたびに破裂のリスクが頭をよぎります。
今回、担当医から説明された手術中の死亡率、術後の麻痺率は一般的に見ても妥当な数値なのでしょうか。先生ならばこのような患者に対して手術をすすめますでしょうか。

回答

胸部、腹部大動脈瘤の手術ですと、いわれたように、一般的には20%の死亡率です。麻痺は胸部大動脈手術の際の脊髄動脈の閉塞のためです。これは瘤が長くつづいているときには、側副血行路ができていて、麻痺にはならないのですが、瘤ができて日が浅いときには麻痺が起こり得ます。その確率は半々といわれますので、いわれた頻度も普通にいわれている数値といってよいでしょう。
75歳はまだ、若く、背中の痛みがあるというのであれば、緊急性があるように思います。一般論としては、手術を勧めることになるのですが、ご家族としては、危険性も考えて、判断されることになるのではないでしょうか。

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