疾患別解説

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乳児の拡張型心筋症の疑い

1歳7ヵ月 男性
2006年2月 9日

1歳7ヵ月の息子のことで相談します。
風邪の症状で病院に受診したところ、心音が悪いということで、急きょレントゲン・心電図・エコーの検査をしました。その結果、心臓の拡大と左心室からの逆流があるとのことで、そのまま総合病院に移り、入院・検査をしながら経過観察になりました。
拡張型心筋症の疑いと心筋炎の疑い、冠動脈の奇形も否定できないとお話がありました。
今まで、健診でも心臓病を指摘されたこともなく、入院してからもいつもと変わらず普通に元気です。半月ほど入院しましたが、特に変化もありませんでした。

セカンドオピニオンとして、別の病院に検査に行きました。左心室の拡大、収縮低下、左脚ブロック、僧帽弁閉鎖不全症といわれましたが、まだ、確定診断はできないといわれ、精密検査を受けたほうがよいとのことでした。

現在、レニベース、インクレミン、パンビタン、ジゴシン、ラシックス、アルダクトンAを服用しています。とりあえず内服にて経過を観察するそうです。

急に心臓の拡大を指摘され、先天性の疑いのほうが強いと言われましたが、そんなこともあるのでしょうか。よくなる見込みはないのでしょうか。

回答

今まで、元気にされているお子さんが、急に重い心臓病といわれ、心配が大きいかと存じます。心臓の動き、特に左心室という全身に血液を送り出す部屋の収縮が低下する病気は、子どもの場合いくつか考えられます。今までの病院で指摘されていますように、拡張型心筋症、心筋炎、冠動脈の先天的異常、心内膜線維弾性症などという病気を考えます。やはり、診断をはっきりさせることは大切です。
特に、冠動脈の先天的異常であれば、外科的に治療が可能です。また、疾患の種類により、今後の治療、経過が異なる場合があります。子どもは、心臓病がかなり進行していても、症状が現れないことが少なくありません。心不全の症状も、ミルクの飲みが悪い、体重増加が悪い、風邪を引きやすいなどだけの場合が多く、特に心臓の雑音がはっきりしない場合は、先天性疾患でも、検診などでは、わからないこともあります。風邪などを引くと、心不全が明らかになり初めて診断がつくことも少なくありません。

今後の経過ですが、基本的には、診断によって異なります。手術をできない病気の場合で、同じ疾患でも、重症度に違いがあります。逆に言えば、もちろんよくなる場合も、少なくありません。
ふだん、風邪をなるべく引かせない、薬剤の服用はきちんとする、心不全の症状を主治医によくきいておいて、気になる場合はなるべく早く相談する(受診する)などの注意も大切です。
いずれにせよ、確定診断と医師との密なコンタクトが非常に重要です。また、元気になる希望を持って育てられることもとても大切です。

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