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疾患別解説

弁置換後のワーファリン服用と手術時の注意

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.6564

76歳、 男性: 弁膜症術後

15年前に弁膜症手術を受け、その後、ワーファリン、パラミジン、ブロプレス、ヘルベッサーを服用しています。最近、前立腺肥大症でハルナールを飲み始めましたが、現在、前立腺肥大の手術をすすめられています。ただ、手術前後一週間はワーファリンを止めることで、血栓のリスクが高くなるとも言われました。何かよい方法はありますか。

日本心臓財団からの回答

お尋ねの件は、記述内容が簡単なので、具体的に指示を書くことはできません。そこで先ず、この方のように弁膜症の手術を受けて、ワーファリンとパラミジンを服用しておられる方とそのご家族が十分理解しておかれるべき一般的なこと(これは恐らく既にご存知であろうとは思いますが)を(1)と(2)に書いて、その後に何故この方が難しいかの理由と、この方に対する私の簡単な意見を書いておきます。
 
(1)弁膜症の手術(どのような人工弁をいくつ使ったかわかりませんので)を受けられてから15年経って調子の悪くない方で、ワーファリンとパラミジンを続けて内服している人は、一般に出血も血栓も生じやすい状態なので、平静から定期的に(2週?1ヶ月に1回以上)血液の固まりやすさを調べる検査(PT-INRやトロンボテスト)と出血のないこと(鼻血、歯ぐき出血、尿や便への出血)を確かめておくことが必要で、この方も地域の専門医に通院しておられるはずです。外傷や手術の際には、前後特別の注意を払わなければなりません。特に頭を打ったあとの硬膜下血腫など内出血も起こり易いので、医師と繰り返し相談すべきです。内出血の起こりやすい処置(例えば内視鏡生検や眼科の手術、脊椎の手術など)には周りの人も含めて慎重な行動が望まれます。またワーファリンの量は、検査値の変化があった時には、主治医から必要に応じた指示を受けなければなりません。
パラミジンなどと併用している時には、そのことによってワーファリンの効果の持続時間が少し変わります。怪我や出血の起こらないよう周りの人達も注意してあげてください。血圧が高い人はさらに厳重な注意が必要で、この方も降圧剤を服用しておられることからこの枠に入ります。

(2)その他の薬(例えば抗血栓薬や止血薬など血液の固まり方を変化させる薬、ヘパリン、トロンビン、ビタミンK、イプシロン、抗菌薬、解熱薬、鎮痛薬など)の注射や内服を併用する時には、主治医と十分相談して、検査を受けながら、ワーファリンの量を調節してもらわなければなりません。また食事についても、納豆やクロレラなどを食べる時はいつも一定の量を食べるようにしてください。このようなビタミンKの吸収されやすい食物をとる人が、一度にたくさん食べると血液の固まり方は大きく変化します。ワーファリンの効果について詳細に知っている主治医に、併用薬や食事について十分説明してもらってください。

(3)この患者さんは、既に15年以上ワーファリンとパラミジンを服用しておられるので、(1)、(2)で述べたことはよくわかっている筈ですが、どんな人工弁をつけてもらっているのかが書かれていませんでしたし、心不全になったことがあるのかどうか、肝機能は大丈夫なのか、また心房細動があるかどうかも書かれていないので、症状に応じたワーファリンの服用の仕方について何も助言できません。しかも降圧薬(ブロプレスとヘルベッサー)を服用していて血圧はどうなっているのかもわかりません。前立腺肥大の手術を受けるとのことですが、どの程度の症状か、ハルナールだけではだめなのか、その他の薬も試みたのか、肥大があっても生命には関わらないので手術しないで辛抱できないのか。前立腺がんでなければ手術は避けられるものなら避けたほうがよいと思いますが、よくよく他の方法を含めて泌尿器科の先生と現在の主治医に相談することです。

2010年2月 2日

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