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疾患別解説

先天性大動脈二尖弁の大動脈弁狭窄の手術時期

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.7640

58歳、 男性: 先天性大動脈二尖弁、大動脈弁狭窄症

先日、会社の健診で心電図雑音を指摘され、病院で精査したところ、大動脈弁狭窄があり、また先天性の二尖弁であったことがわかりました。
現在は中程度の状態だそうですが、進行するので手術をすすめられました。また、手術しないなら激しいスポーツは避けて安静な生活をとのことでした。
つい先日まで筋トレやスポーツを楽しんでいました。激しく動いたときに少し息切れがあったりしますが、すぐにもとに戻りましたので、突然安静にといわれて驚いています。
すぐに手術をしなければいけないのか、もう少し症状が出てからでよいのか、現在の手術の成功率や弁の選択など、ご意見を伺えますでしょうか。
日本心臓財団からの回答
先天性の大動脈二尖弁は健康な方の100人中1~2人に見られるもので、このうちの一部の人が成長する過程で大動脈弁狭窄や弁逆流に発展します。最近は超音波検査が普及して診断されるようになりました。高齢者では弁の硬化による狭窄が主ですが、50歳代までで発見されるタイプはこの二尖弁が多いようです。大動脈弁狭窄は進行してから診断されることが少なくありません。健康な方でも大動脈と左室間では10 mmHg以下圧較差が認められますが。この病気ではこの数値が大となります。普通は40~70 mmHg が中等度狭窄と言われています。進行するとめまい、失神、胸痛、息切れ(心不全)が急速に進行してくるので、70mmHg以上では手術を考慮するのが一般的です。
労作時に突然、症状が出ることがあるので、運動や走行はすすめません。無理をしない生活が原則です。今までなかったのは運がよかっただけかもしれません。
手術には弁置換術と弁形成術があります。後者は自分の心膜を用いるものでまだ、一般的ではありませんが一部の施設で試みられています。長期成績はまだありません。弁置換のほうが確立した手技です。これには人工(機械)弁と生体弁があり、後者は術後に抗凝固剤を服用しなくていいという利点がありますが、10年ぐらいで劣化が見られることがあるので65歳以下ではすすめられません。機械弁の耐久性は半永久的です。手術すれば生活制限はなくなります。
いずれにせよ、待っていて病気が良くなることはないので、弁の手術を考慮してもいい時期です。以前は症状が出るまで手術はしなかったこともありますが、最近の手術成績はいいので(リスク(合併症)は数%以下)、早目の手術になりつつあります。症状がないといっても無意識のうちに階段を避ける、走らない、など自分でセーブして生活している人もいます。もちろん、もし質問者が80歳以上で悠々自適の生活をしている方であれば医師は積極的にはすすめません。
無理しないで症状が出てからと言う考えは、万一の際は手術が間に合わないかもしれないという理解の上での定期的通院をするという選択肢でしょう。このあたりは一度、専門病院の循環器内科を受診して先生とじっくりお話しすることをお勧めします。

2012年7月20日

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