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疾患別解説

心筋梗塞の再発予防に年に一度はマルチスキャンCT等の検査を受けたほうがよいか

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.7703

54歳、 男性: 急性心筋梗塞発症後

昨年、心筋梗塞を起こし、心肺停止になりました。当日のことは記憶を喪失しており、覚えていないのですが、自覚症状があった後、すぐに救急車を呼び、心肺停止が病院内だったので助かったそうです。
自覚症状があってからでは遅いと思い不安でなりません。
年に1度、マルチスキャンCT等の検査を受けたほうがいいでしょうか。
日本心臓財団からの回答
心肺蘇生まで経験されたのですから、今後についてもご心配されていることは十分理解できます。一度心筋梗塞を起こした患者さんの心筋梗塞再発率は1回目の数倍となり、2回目の心筋梗塞による死亡率も1回目とくらべてかなり高くなってしまいます。
 
年1回のマルチスライスを行ったほうがよいかどうかについては、どちらかと申しますと不要と考えます。
 
1.理由のその1は心筋梗塞に起り方についての考え方の変化があります。以前は動脈硬化が進むと冠動脈(心臓に栄養を送る血管)の壁にコレステロールが溜まり(いわゆる粥状硬化病変、プラークとも呼びます)、内側にせり出してくることによって血管の内腔(血液の流れる空間)がどんどん狭くなり、そこに何らかのきっかけで血栓が付着して血管が完全に詰まり心筋梗塞を起こすと考えられていました。しかし今では、心筋梗塞の主として、プラークの破綻、破裂によって起るものと考えられています。冠動脈があまり狭くなっていなくても、何らかの原因でプラークが不安定化すれば破綻をきたしそこに血栓が付着し一気に詰まってしまい心筋梗塞を起こします。従ってCT検査を行って血管があまり狭くなっていないからと言って心筋梗塞を起こさないという保証は全くありません。またCTは高価な検査であり、放射線の被ばく量は高く、また投与される造影剤が稀にアレルギー反応をおこすこともあります。CT検査にはプラス面ばかりでなく、マイナス面もある訳です。
2.では、心筋梗塞の再発を防ぐにはどうすればよいかということになります。
これについては冠動脈危険因子のコントロールがもっとも重要です。糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などの冠動脈疾患の危険因子を是正することです。禁煙も極めて重要です。血圧や糖尿病、脂質異常症のコントロールには薬剤が必要なこともあります。心筋梗塞予防効果が明らかになっている薬剤も何種類かあります。
医師の管理下に適切な運動を行うことも大事です。
従って毎年CT検査を行うよりも、生活習慣の改善をおこない、冠動脈危険因子を是正し、心筋梗塞再発予防の実績のある薬剤を続けるということのほうが大切です。

2012年10月11日

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