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疾患別解説

早いうちにバイパス手術をとすすめられたが、すぐに手術すべきか

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.4348

56歳、 男性: 狭心症

56歳の父は、若い頃から血管が細く、少し運動しただけで足が痛くなったり、息切れ、心臓が重く感じるといった自覚症状がありました。約1年前、ASO(閉塞性動脈硬化症)の疑いということで初めてカテーテル検査を行いました。その結果、左腋窩付近の動脈が細くなっているとのことで、数ヵ月後、大腿と前腕から同時に管を入れて細くなっている血管を拡げる手術を試みましたが、血管が細く硬かったため管が貫通せず失敗に終わり、そのまま血液がさらさらになる薬を処方され退院しました。

今月の診察で、主治医から、心臓の血管もおそらく狭心症の祖母(8年前に冠動脈バイパス手術施行)と同じ遺伝でしょうと言われ、今月末にカテーテル検査を実施しました。結果は冠動脈3本のうち心臓の動き60%を支配する左側の動脈が正常なら4mmあるところが2mmと細くなっているとのことでした。
主治医から「バルーンができる場所ではないので今バイパス手術をしたほうがよい。心筋は健康ですし若いうちに手術しておいたほうがいいでしょう。」と言われ、次回の来月の診察までに決断してほしいとのことでした。

父は先に述べた症状はありますが、特に運動もしておらず日常生活は仕事も行い普通に生活しています。今まで心臓がキューッと締め付けられるといったこともありません。あくまでも運動した時のみです。父としても「今は普通に生活できているのに本当に今しないといけないのか」という気持ちがあるようです。私もバイパス手術は高齢の60?80代が多いと本で読んだことがあり、もう少し先でもいいのではと思ってしまいます。
今回、手術したほうがよいでしょうか。さらに今手術した際のリスク、しなかった場合のリスクについて教えてください。

日本心臓財団からの回答

冠動脈狭窄に対する手術適応は一本の血管の一箇所のみで適応になる場合は稀で、多くの場合は他の動脈がどのような形態をして、どの程度の狭窄があるかということによっても左右されます。したがって、貴方のお父様の冠動脈狭窄について今お知らせいただいた内容だけで手術の適否を申し上げることは困難です。

前下行枝の中枢側にあるか末梢側にあるかによっても適応は違います。また、お父様の場合、冠動脈病変が100%動脈硬化によるものであると診断することはできないかもしれません。そういったいろいろな状況を考えますと、今かかっておられる病院からデータをすべてお借りになって、どこか冠動脈の病気の治療をたくさん行っている病院の医師に、本当の意味のセカンドオピニオンをお求めになるのが良いと思います。
4mmのところが2mmになるのはそれほど強度の狭窄ではないのですが、それがどの程度の長さにわたっているのかも問題でしょう。運動した時の心電図や、心臓の筋肉の酸素不足の状況など、いろいろ他にも検査の方法がありますので、そういったことをすべて勘案して適応を決めるべきであると思います。

ただ、手術そのものは今の年齢でおやりになった場合、手術死亡は全国平均で約2%であり、このことは今から10年先におやりになっても、あまり変わらないと思います。満足なお答えにはなりませんが、やはり判断が難しい場合には、今の状態では決して急ぐことはありませんので、手術を延期していただいてその間にセカンドオピニオンを求められるのが良いと思います。

2006年8月24日

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