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疾患別解説

自覚症状がないのに、運動時のST低下というだけで薬を飲み続けるのか

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.4344

40歳、 男性: 心室性期外収縮

心室性期外収縮という不整脈で診察を受け、エルゴメーターや24時間心電図で検査した結果、経過観察が必要な不整脈(心室性期外収縮)も見られるが、心拍数が高い時のSTの位置が低いとのことで投薬治療を続けています。
主治医の話では、エルゴメーターで運動後のSTが低い位置にあるため、ジョギングや階段の上り下りなどの心拍数が高くなることや、暑い時期・寒い時期のゴルフは控えるように言われています。安静時の心電図にはSTは正常な位置にあるが、(主治医の)経験則から投薬でこれ以上悪化させないようにすることが望ましいと言われています。

最初の検査結果を聞くまで、どんなに心拍数が高くても痛みが出るなど悪くなったことはないため、1年くらいは主治医の言うとおり薬の服用で様子を見てそのうち薬も飲まなくてよくなるだろうと思っていました。ところが1年半後の検査結果が前回と同じで改善がみられないため、これは一生、薬の服用が必要なのかと憂鬱な気持ちになりました。
投薬の効果もあるかもしれませんが、痛みなどの自覚症状がなく、安静時のSTは異常なし、というところがどうも納得できません。主治医は「私の経験からすると投薬を続けてこれ以上悪くしないほうが良い」との説明ばかりで、結局、備えあれば憂いなし的な治療ではないかと思っています。実は、その思いを一度、遠まわしに主治医に言ったところ、そんなに信用できないのなら薬を止めても構いませんよ、とキツメに言われたこともあります。このような状況は、やはり、セカンドオピニオンを受けたほうが良いのでしょうか。

日本心臓財団からの回答

虚血性心疾患を疑われて薬を処方され、その理由があまり納得できないと言うことですが、実際に問題となっている心電図を見ていませんので以下一般的な考え方だけを記します。
普通、虚血性心疾患を疑って運動負荷試験を行う場合、負荷中および負荷直後の心電図の、ST部分の下がり方を見て心筋虚血の有無を判定します。このST低下は虚血型といわれる特徴的な形を呈して明らかに心筋虚血だと診断できる場合は問題ないのですが、下降の程度が余り著明でなく、いわば曖昧な下がり方の場合に陽性にすべきか否かがしばしば問題になります。(当然のことですが医師によって陽性とするか陰性とするかの判断の違いも出てきます。)
こういう場合別の診断法として放射性同位元素を体内に注入し運動負荷をかけてそれが心筋内にどのように分布しているか、血流欠損の部分がないかどうかを調べる検査があります。筆者らは通常運動負荷心筋シンチグラムと呼んでいますがこれで陽性であれば虚血性心疾患の疑いが強くなり、逆に心筋内の分布が均等であれば心筋虚血の疑いが晴れ薬を飲む必要がなくなります。
安静時に心電図に異常がなく、あるいは胸痛の自覚症状がなくても無症状の心筋虚血というのがありますのでこういう問題が生じてくるわけですが、以上のことを知った上で虚血性心疾患の専門医に相談されては如何かと思います。

2006年8月22日

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