疾患別解説

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冠動脈解離による心筋梗塞

53歳 女性
2006年7月10日

53歳の母が、右側の冠動脈の解離による急性心筋梗塞を起こし、病院にて冠動脈の真腔にカテーテルを通して広げて偽腔を押さえる治療を試みたそうですが、うまく行かなかったそうです。主治医によれば、冠動脈の解離による心筋梗塞はあまり例がなく、治療も難しいということで、現在はCCUにて内服治療のみで、何も処置をしていもらっていない状況です。

主治医からは、自然に治癒する可能性が90%以上であり、下手な処置をするよりは様子を見るほうが安全との説明を受けましたが、何も治療しない状態でこのまま置いて大丈夫なのでしょうか。バイパス手術などを受けたほうが、今後の発作が起きる可能性が減少するというようなことはあるのでしょうか。

回答

大変ご心配のこととお察しいたします。冠動脈の解離により心筋梗塞を発症されたと伺いました。主治医の先生のお話通りに、冠動脈の解離は自然に治癒することが多く、急性期にカテーテル手技により偽腔の閉鎖を試みられた後ですので、自然経過を見られることが最善と思います。左心室の下壁の梗塞は残っても心臓の機能には大きな影響がないことが多いので、この点についても心配されることはないと思います。しかし、他の冠動脈に狭窄病変等があれば危険性が増すことがありますので、主治医とよく相談されてください。バイパス手術については、将来狭心症などが生じることでもあれば、その時に検討されることをお勧めいたします。今の時点ではバイパス手術の適応はないと考えます。

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