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疾患別解説

エプシュタイン奇形の治療

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.1197I

20歳、 男性: エプシュタイン奇形

20歳の弟のことで相談します。弟は先天性の心臓疾患(エプシュタイン奇形)で、現在、重篤な症状と戦っています。
いままで、軽い不整脈を毎日の薬で抑えてきましたが、この度、カテーテルアブレーション治療を受けました。しかし、術後より呼吸困難を訴え、今ICUで治療中です。肺血栓の疑いとのことで、血栓を溶かす薬を投与されていますが、酸素量(70?80)に一向に変化が見られません。
右側の心臓にも負担があるようで、圧力の数値が高いと聞きました。このような状況を改善できるような、何か有効な手段は無いものでしょうか?

日本心臓財団からの回答

この病気はきわめてまれな、生まれつきの心臓奇形の一種で、右心室と右房の間にある三尖弁の位置がずれていて、そのために弁機能が上手く働かず、三尖弁閉鎖不全と右室機能が上手く働かなくなった状態です。
また、心房と左房との間に孔があいている心房中隔欠損を合併していることがよくあります。

さらに、不整脈が多くみられ、時には頻脈発作をよくおこし、突然死をきたすこともあります。新生児発症例では自然予後が悪く、死亡率は70%にも及ぶことがあります。またチアノーゼ、心不全、不整脈を合併するものはやはり予後は悪いとされております。

この病気は息切れ、呼吸困難、むくみなどの心不全症状のみならず、チアノーゼ、心拡大、運動能力の低下などの症状を示します。

治療はもともと心臓の形に異常があるのですから、根本治療は心臓の手術によって奇形を直すことですが、この病気の奇形は非常に複雑な形を示しているので、大変に難しい技術が必要で、したがって手術成績は必ずしも満足ができるものではありません。この点をよく理解された上で手術に踏み切るべきでありましょう。

どんな病院を選ぶかと申しますと、優れた心臓外科専門医が多くおられること、従来の手術成績が比較的よいこと。優れた心臓内科専門医が揃っている事設備の整っていることなどが条件になると思われます。たとえば心臓外科のある大学病院とか、心臓外科の専門病院とかです。

手術が困難であれば、次善の策として症状に応じた対症療法を行わざるを得ません。つまり、心不全に対する利尿薬、強新薬、血管拡張薬、その他の治療薬の投与です。

また不整脈に対しては抗不整脈投与、副伝導路に対しては伝道路の切断、カテーテルによる三尖、弁輪部の焼灼を行ないます。また頻脈発作のあったような症例に対しては血栓予防のための抗血栓症薬および抗血小板薬の併用を行ないます。

いずれにせよ、これらの治療は高度の専門技術が必要ですので、経験の豊富な専門施設を選ばれる必要がありましょう。

2002年2月17日

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