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卵円孔を塞げばワーファリン服用はいらなくなるか

53歳 男性
2009年2月 2日

左側頭葉約3cmの範囲に脳梗塞を発症し、心臓検査の結果、腹圧をかけると右心房から左心房に静脈血が流れることが判明し、卵円孔開存と診断されました。また、過去に3回、微細な脳梗塞を起こしています。
医師の話では、開胸手術で卵円孔を塞ぐパッチ手術をすれば、ワーファリンの服用もいらなくなるが、今の状態では、死ぬまでワーファリンを服用することになるとのことでした。
現在、心不全などの心臓疾患はないのですが、卵円孔を塞ぐ手術の難易度はどれぐらいなのか、手術の具体的な内容や手術時間、術後の経過期間や服用する薬と薬の服用期間を教えてください。
手術を受けることで、薬の服用がなくなり、好きな運動をする普段の生活が送れるのなら、手術を受ける決断をしたいと思っています。

回答

「卵円孔をパッチ手術で塞げばワーファリン服用はいらなくなる」と書いてありますが、その確証はあるのでしょうか。卵円孔開存が脳梗塞の原因になるのは、静脈系に塞栓子がある場合のことです。静脈系に塞栓子ができやすいのは間違いないことですし、普通の場合ならば、これが剥がれて飛ぶと、肺に引っかかって、肺塞栓症を起こします。しかし、もし、この場合に卵円孔開存があると、塞栓子が右房から左房に入っていくので、脳にまで飛んで、脳梗塞を起こすのです。一方、脳梗塞自体は卵円孔を経由する塞栓子によって起こるという場合は少なくて、動脈系に塞栓子があってこれが飛んだり、あるいは進行した脳動脈硬化の故に血流が途絶して起こるという場合が普通です。
つまり、卵円孔を塞げば、脳梗塞は起こらないとはいえませんし、ワーファリン治療が不要になることもありません。
医師の説明が不十分であるように見受けます。卵円孔を閉じるというのは、ほかに理由があるのではないでしょうか。再度、よくご相談になってみてください。

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