疾患別解説

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左脚ブロックに対する神経的関与はあるか

25歳 男性
2005年1月24日

心電図検査で左脚ブロックと診断されたので、胸部レントゲン、エコーを受診しました。その結果異常は見つかりませんでしたが、心配なのでご相談させていただきました。現在、自律神経失調症の疑いがあり、それが関与しているのでしょうか。また、心電図受診時の心理的な緊張などでこのような診断結果が出ることはあるのでしょうか。

回答

左脚や右脚は、筋肉細胞でできている心臓内を走る刺激伝達系の一種で、心室中隔内ではHis束から大きく枝分かれして、一方は右心室に向かう右脚として、またもう一方は左脚(それは間もなく左脚前枝と左脚後枝に枝分かれします)に分かれ、それぞれ、右室および左室に拡がり、末梢に向けてプルキンエ細胞につながり、さらに左右の心筋につながって興奮をおこし、心筋の収縮をおこします。
これら刺激伝導系の一部に変性、壊死、線維化などがおこると、上からの刺激の伝達が杜絶(とぜつ)されます。これが右脚ブロック、左脚ブロックです。ブロックがおこると心電図上特異な異常波型がみられるので診断上有用です。また、胸部X線写真上あるいは心エコー図上にも異常がみられますが、右脚ブロックでは比較的狭い範囲の障害のことが少なくなく異常を認めないこともあります。左脚ブロックでも同様に異常を認めないことが稀にあります。
なお、自律神経失調症や心理的緊張は刺激伝導系の局所的あるいは形態的病変を伴うことはないので原因関与することはないといってよいと思われます。

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