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疾患別解説

抗がん剤による心不全

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.1358S

12歳、 心不全

3か月前に非血縁者間骨髄移植を受け、その前処置として抗がん剤「エンドキサン」を処方されたところ、心不全を起こしてしまいました。
1か月半前、心臓のまわりに溜まった「心のう水」を抜くという処置を受けたところ、脇間の動脈を傷つけ内出血し、血肺となってしましました。

伺いたいことは、
1)「エンドキサン」で心不全を起こした事例は、国内でどれだけあるのでしょうか。
2)心毒性が高いとされる「エンドキサン」を処方するにあたり、注意事項は何でしょうか。
3)「心のう水」を抜くという処置で、血管を傷つけた事例はどれだけあるのでしょうか。

日本心臓財団からの回答

1)1999年8月改訂の医薬品インタビューフォームによると、エンドキサンによる心筋障害・心不全の発生率は0.06%となっています。エンドキサンは大変副作用の多い薬物ですが、その中では比較的にまれな副作用です。本邦では1992年に悪性リンパ腫に用いた例。1989年に慢性骨髄性白血病で骨髄移植を行なった例についての報告などがあります。

2)エンドキサン処方中の心筋障害・心不全に関する注意としては、観察を十分に行い、異常が認められたならば、中止するなど、適切な処置を行うこととなっています。心筋障害に対しては特異的な治療法はないのですが、急性期を乗り切ると正常に戻ることがあるとされています。

3)胸腔や心包穿刺に際して出血させてしまうことは稀ではないのですが、頻度についての統計が見当たりません。肋間動静脈は肋骨の下縁を走っています。そこで、これを避けて穿刺を行なうのですが、血管は体表からは見えないために、血管の走行が通常と異なっていたりして、避けきれなかったときに傷つけてしまうのです。また、もとの病気のためや、エンドキサン治療のために出血し易い状態があったとすれば、血管損傷ということがなくても、出血の危険は増加するであろうと思われます。

2002年7月 1日

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