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疾患別解説

心疾患患者とAED

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.8013

17歳、 女性: QT延長症候群

私はQT延長症候群を持っています。学校で修学旅行などに行くときに、主治医から「AEDを持っていくこと」と指示を受けました。
しかし、実際にAEDを持っていってくださるのは学校の先生です。
心臓疾患を持つ患者に対しては、AEDを割引などして購入しやすくすることができるといいと思います。もしAEDを常に持ち歩いていれば、突然死の可能性のある心臓疾患を持っている人でも、少し楽に外出や旅行ができます。
もし可能であれば、1人1人に合わせたAEDを開発していただき、普段から常人より異常な心電図なので安静時の心電図を記録しておく機能が付けば、発作で倒れた時、一目で異常かどうか分かると思います。
こんな案はとっくにお考えかと思いますが、ぜひ実行していただけたらと思います。
お金がいくらかかっても、死んでしまったら戻らない命です。その尊い命を救えるように開発していただけたら嬉しいと思います。
日本心臓財団からの回答
心臓突然死を減らすための取り組みをしているものとして、とても貴重なご意見をいただきました。
「心臓疾患を持つ患者に対して,AEDを割引などして購入しやすくする」というのは、一つの考え方だと思います。実際に、こうした方々に対して、保険を適応してAEDを購入しやすくするべきという考えもあり、提案もなされていると聞いています。ただし、保険制度は、医療費あるいは国の予算全体のバランスの中で決められますので、まだそういうコンセンサスは得られていません。
 
最近は、着用(ベストとして着用する)型の除細動器が作られ、欧米では、突然の心停止のリスクがあり、除細動器の適応があるものの、植え込み型の除細動器は植え込まれていない人に着用を勧めることもあります。この着用型自動除細動器は、日本にも導入される見込みです。
(注:2014年に日本でも使用可能となりました)
除細動器は、大きく分けて、植え込み型除細動器→ベスト型除細動器→AED→医療機関にある手動の除細動器があり、特に、突然の心停止のリスクが高い方には、植え込み型除細動器の適応となります。
植え込み型除細動器の適応にはならない、あるいは適応でも望まないという場合に、AEDの携帯を勧めることがあります。
 
「1人1人に合わせたAEDを開発していただき、普段から常人より異常な心電図なので安静時の心電図を記録しておく機能が付けば、発作で倒れた時、一目で異常かどうか分かると思います」というご意見は、植え込み型除細動器に近い考えかもしれません。
心停止のリスクが大きな場合は、より厳密なフォローが必要となり、個人個人の状況に合わせて、植え込み型除細動器を設定し、植え込みが行われています。
AEDはどちらかというと、一人一人に合わせるというより、あらかじめリスクが想定されていなかった方が突然倒れてしまった場合に、迅速に除細動を行うことを目的としており、より広い人々を対象にしています。これは、突然の心停止の多くは、あらかじめリスクが想定されていなかった人に突然発生するという特徴にも由来しています。
おそらく、主治医の先生は、植え込み型除細動器の適応ではないが、万全を期すために、AEDもできるだけ身近に置いておくようにとの助言をくださっているものと思います。
主治医の先生ともよく相談し、できるだけ不安を取り除いてもらってください。
我々も、尊い命を救えるようにAEDを開発してほしいとの想い、願いをしっかりと受け止めていきたいと思います。

2013年6月27日

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