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ICDの植え込みと生命予後

68歳 男性
2005年10月10日

父のことで相談します。
拡張型心筋症・心室頻拍がわかってから8年間、薬物療法だけで普通の生活をしてきました。定年後も職場に恵まれ、仕事も続けています。
しかし、先月初めて心不全を起こし入院しました。先月の検査ではBNPが500くらいだったのに今回はいきなり1,840に増えてしまい、左室駆出率は20%です。このまま薬物療法だけでは、2年後の生存率が40%くらいだろうと言われてしまいました。
そのため、主治医の先生にはICDをすすめられましたが、本人は誤作動が気になるらしく、決めかねています。父の場合はICD治療の他には治療方法はないのでしょうか。
また、ICDをいれればどのくらい延命できるのでしょうか。

回答

拡張型心筋症で駆出率20%というのはかなり心機能の悪い心臓と判断されますが、さらに現在心不全で治療中ということですのでこれだけで非常に厳しい生命予後であると想像されます。その上に心室頻拍の合併症があることを考えますとICDをすすめるのは当然と思われます。
薬物療法にICDの治療を加えることによって生命予後が確実によくなることは先進国での多くの医学的研究から今では誰一人疑うものはありません。薬物が目いっぱいに用いられている場合、それ以上の治療法はICD以外にありません。
ICDを入れて延命できることは確実ですが、どれぐらい延命できるかは人によって違い個々にその年数を予知することはできません。

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