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ブルガダ症候群のリスクとICDの必要性

48歳 男性
2008年1月 1日

職場の健診の際、心電図異常があり、専門病院を受診して心電図検査等を受けたところ、今まで心臓に関する自覚症状や失神歴がないこと、家族など身辺にも突然死などのケースがないことから、あまり心配ないと思うが、ブルガダ症候群の疑いがあるので入院してカテーテル検査をすると良いとのことでした。そして、電気生理学的検査で不整脈が顔を出したことから、ブルガダ症候群と診断が確定しました。ICDを埋め込むことでリスクが抑えられるとの話もありました。

そこで質問ですが、
1)ブルガダ症候群の症状はどのようなものでしょうか。症状が起きたときには必ず死ぬのでしょうか。失神のみで助かることもあるのでしょうか。
2)症状が出た時の対応(本人あるいは家族など周囲の者)はどのようにすればよいのでしょうか。
3)今のところ症状がないことや身辺に同様のものがいないことから、リスクはかなり低いと考えてよいでしょうか。現在の状況で、ICDの必要性はどの程度あるのでしょうか。

回答

1)ブルガダ症候群で警戒されているのは、心室頻拍・細動といった不整脈です。これらの発作は起こったときに、すぐに治るか、長く続くかによって、症状が異なります。持続が数秒以内と短ければ、何にも症状はありません。しかし、10秒以上も続けば、めまいや、目の前が一瞬、暗くなる、あるいは白くなるといった症状が起こります。数分以上続けば、気を失って、倒れます。最悪の場合はそのまま突然死してしまいます。
2)このときの対応は、そばにいる人が緊急に心臓蘇生措置をすることです。AEDというような除細動器があると救命できます。
3)今のところ、症状がなく、家系的にも急死した人はいないということですが、このような人では、電気生理学的検査が陽性であったときには、事故の起こる確率は17%といわれています。つまり、ICDが必要となる確率は17%です。ICDをいれても作動しない確率が83%というわけです。ICDを入れない場合には、これだけの頻度で事故が起こることをあらかじめ覚悟して、家人に訓練を受けておいてもらい、職場と家庭にAEDをそなえておくことが望ましいと思います。


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