疾患別解説

疾患別の解説と過去の相談事例がご覧いただけます。

甲状腺機能亢進と心房細動の関係

54歳 女性
2006年10月12日

54歳の母が甲状腺機能亢進症と診断されました。
母は、甲状腺機能亢進症と診断される前から、数回の心房細動による動悸を起こしていたのですが、先日、2回目の受診をした際に、高かった甲状腺の数値が、少しですが下がり、とても喜びました。何故なら、私たちは、甲状腺の数値が下がれば、心房細動も圧迫されず、動悸がなくなる、と思っていたからです。
しかし、先日、また動悸が起こりました。母は、前の動悸に比べれば、かなり軽かった、と言うのですが、朝の7時から始まり、完全に動悸が治まったのは、夕方の6時と、長時間かかってしまいました。

そこで、質問なのですが、甲状腺の数値が、平常に戻れば、心房細動の動悸も治る、と思うのは、間違いなのでしょうか。
また、動悸が起こった際、頭に血が上り、意識を失いかけると言っていて、私は、脳卒中の前兆ではないか、と思ってしまいます。大丈夫なのでしょうか。

回答

1)甲状腺機能亢進があって、心房細動が起こっているときには、甲状腺機能が正常化すれば、心房細動は起こらなくなります。しかし、もともと心房細動がたびたび起こっている人に甲状腺機能亢進が合併したというような場合には、関係はありません。ただ、このどちらであるのかを知るのは大変、難しいことです。心房細動の治り方をみて、このどちらであったかが始めてわかるといったほうが多いのかも知れません。

2)動悸が起こったとき、気を失いかけるというのには、二つの場合があります。とても速い頻拍であったのか、逆に、心臓の瞬間的な停止を伴う心房細動であったのか、のいずれかです。これは症状のあるときの心電図を、24時間心電図検査(ホルター)を繰り返し行うなどによって捉えない限り、診断のしようがありません。ただ、ご配なさるような脳卒中の前触れというようなものではありません。担当医にくわしく症状を説明して、相談なさってください。

この回答はお役に立ちましたか?

病気の症状には個人差があります。
あなたの病気のご相談もぜひお聞かせください。

高齢者の心臓病 高齢者の心臓病
CLOSE
ご寄付のお願い