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疾患別解説

心室期外収縮のアブレーション治療

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.8470

57歳、 女性: 心室性期外収縮

10年ほど前に突然の不整脈で救急外来を受診しました。心室性期外収縮の多発(14000/日)で、CT等の検査を受けましたが、明らかな所見はなく、放置してもよい不整脈とのことで、特に薬も使わず経過観察しておりました。
一昨年の暮れから不整脈が多発するようになり、二段脈が続いて咳き込んだり、息切れを起こしたり、夜、動悸がひどく眠れないことも起きるようになったため、主治医にお薬の処方をお願いしましたら、カテーテルアブレーション治療を勧められました。
とりあえずはお薬を試したいと希望し、メインテート、アーチスト、メキシチール、サンリズム、ワソランと順次試しましたが、効果がありませんでした。
そこで、不整脈専門外来にてアブレーション手術の具体的な説明を聞きましたが、私の場合は、珍しいところ(左室の奥の方、僧帽弁倫付近)が起源になっているので、成功率は5割から6割とのことでした。
もとの主治医は完治する可能性があるなら受けてみてはどうかとすすめてくれますが、リスクもあるので迷っています。
日本心臓財団からの回答
心室期外収縮に対する治療方針について悩んでいらっしゃるとのご質問ですが、これまでの経緯を拝見すると、それぞれの先生の対処法はいずれも適切であると思います。
以下のように考えては如何でしょうか。
まず、心筋梗塞や拡張型心筋症などの重篤な基礎疾患がないことが確認されている場合には、心室期外収縮に対しては重症度の高い期外収縮がなければ、積極的な治療を行わないことが多いと思います。ご質問の方の場合も、各種の検査によって重篤な心疾患がなく、かつ重症度の高い期外収縮もないことが確かめられており、無治療で経過を見るという選択は適切であるといえます。とはいってもこれらの期外収縮が発生することによって強い症状を自覚し、治療を希望される場合には、薬剤を用いて期外収縮数を減少させたり、アブレーションによって根治を図るということは考慮されます。
メインテート、アーチスト、メキシチール、サンリズム、ワソランと作用機序の異なる薬剤を順次用いても期外収縮が収まらないことから、次の手としてアブレーションを考慮するのは一つの選択肢であると思います。
しかし、現在の最先端の医療技術であるアブレーションをもってしても、その根治率は100%ではありません。とくに僧帽弁輪付近のアブレーションは難しく、左心系にカテーテルを挿入する必要があることから、成功率は低く合併症の頻度は高い傾向にあります。
重篤な基礎心疾患があり、心室頻拍など重症度の高い不整脈を伴っている場合には、アミオダロンなどより強力な薬剤を用いたり、ある程度のリスクを考慮してもアブレーションを試みるという場合はありますが、そうでなければ慌てて治療を急ぐことはないのではないでしょうか。
ただし自覚症状が強く、とても耐えられないということであれば、アブレーションによる根治の可能性にかけてみるという選択はもちろんあります。

2014年3月 3日

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