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血圧とレニン・アンジオテンシン系

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血圧とレニン・アンジオテンシン系

企画:日本循環器学会/教育研修委員会
監修:藤田 敏郎 東京大学大学院医学系研究科内科教授
発行:日本心臓財団/後援:日本医師会/協賛:第一製薬

血圧調整しているシステムとは

 血圧が高いと、心臓病や脳卒中を起こす危険がとても高くなります。血圧とは、一般に心臓から送り出される血液が動脈内の血管壁にかけている圧力のことをいいます。この血圧値は、血液量(心拍出量)と血管の抵抗(内腔の狭さ)によって決まります。むかし習ったオームの法則「電圧=電流×電気抵抗」によく似ています。
 この血圧の調節には、交感神経などいくつもの要素が絡んでいますが、とくに最近、体内のナトリウム(塩分)調節との関係から、腎臓から出されるレニン・アンジオテンシン(RA)系という調節システムが注目されています。

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血圧にかかわる腎臓の重要な役割

 私たちの祖先は約三億年前に、海から陸に上がって生活を始めたといわれています。そのとき腎臓に体内を海水と同じ成分に保つようなシステムがつくられました。このシステムがレニン・アンジオテンシン系です。
 腎臓は血液の濾過により、体内の水分とナトリウム(塩分)のバランスが一定になるよう調節しています。体内の水分や塩分が足りないと腎臓にある傍糸球体装置からレニンという酵素を放出し、血中のアンジオテンシンや副腎のアルドステロンというホルモンを活性化して血管を収縮させ、塩分の吸収を促します。逆に体内の塩分が多いと、レニンの分泌を抑制し、汗や尿として塩分を体外に排出させます。
 この体内の水分・塩分調節システムが、血圧にも大きく関わっています。つまり、血管が収縮したり(血管抵抗が大きくなる)、塩分や水分が増加する(血液量が増える)と、血圧が高くなるのです。

食塩の摂り過ぎから

心臓病脳卒中

 
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 このように、もともと私たちには、食塩の少ない陸上でも暮らしていけるよう、すぐれた腎臓のシステムが備わっています。しかし、私たちは生活習慣の変化で必要以上に塩分を摂り過ぎており、そのため体内の調節システムが崩れて血圧が高くなり、心臓や血管に大きな負担をかけているのです。
 食塩は、バターやかまぼこなどの加工食品にも多く含まれており、知らず知らずに摂取していることもあります。日本人は一日平均十三グラムという多くの食塩を摂取しているといわれ、「健康日本21」では、一日一〇グラム未満、高血圧の人は一日七グラム(高血圧治療ガイドラインによる)まで減塩するよう提唱されています。

家庭血圧測定のすすめ

健康管理のために市販の家庭血圧計を使って、自分の血圧を測ることをおすすめします。病院では正常の血圧値でも、朝起きた時など、家庭で測ると血圧の高い人がいます。これらは仮面高血圧と呼ばれており、心臓病や脳卒中を起こす可能性が高いので、注意が必要です。最近、日本高血圧学会からも家庭血圧測定ガイドラインが発表されました。

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日本心臓財団より

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