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緊急時の心肺蘇生と除細動

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緊急時の心肺蘇生と除細動 Vol.43(2003年-No.3)

企画:日本循環器学会/教育研修委員会
監修:三田村 秀雄(慶應義塾大学医学部 心臓病先進治療学教授)
発行:日本心臓財団/後援:日本医師会/協賛:第一製薬
心臓突然死
原因になる

心室細動
   日本における突然死は、年間約8万人と推定されています。およそ半分が心臓病による突然死で、毎日100人以上の方が亡くなっています。
 心臓突然死のほとんどは心室細動が原因です。心室細動とは、心臓の心室が小刻みにふるえた状態になり、脳やからだに血液を送り出すことができなくなるため、数分間続くと死にいたる、危険な不整脈のことです。
 このような心室細動を伴う心臓突然死を起こす人の多くは、虚血性心疾患(心筋梗塞など)や肥大型心筋症といった心臓病を持っています。



心室細動救命の決め手は
早期除細
   心室細動を起こすと3〜5秒で意識を失い、呼吸が停止します。救命処置には除細動器を使い、心臓に電気ショックを与えて心室細動状態の心臓を正常に戻すことが必要です。心臓マッサージなど心肺蘇生術を施すことによって除細動器の到着まで救命時間をいくらか持ちこたえさせることができますが、心肺蘇生術だけで救命はできません。
 現在、除細動は病院に搬送されてから行うか、現場に駆けつけた救急救命士が行っています。
 しかし、発症から1分経過するごとに10%ずつ救命率が低下するといわれており、少なくとも5分以内、それもできるだけ早期の除細動が救命にとって大切といえます。
 報告によると、救急救命士による心臓突然死の救命率は約3%ですが、ここまで低いのは、病人が倒れてから連絡まで、そして救急隊が現場に到着して除細動を行うまでに併せて10分以上の時間がかかってしまうからです。
除細動までの時間と生存率



欧米では公共の場に除細動器(AED)を設置


一刻も早く除細動するためには、倒れた現場の近くに除細動器があらかじめ備えられていること、その除細動器を医師や救急救命士以外の人であっても、とにかく最初の発見者が簡単に操作できるようにすることが必要です。

除細動器を設置
アメリカでは公共性の高い場所には、医師でなくても簡便に操作できる自動体外式除細動器
(Automated External Defibrillator:AED)が設置されるようになりました。シカゴのオヘア空港など三つの空港には急ぎ足で60〜90秒歩けば間に合う間隔にAEDが設置されています。この三つの空港では二年間に18例の心室細動がありましたが、11例でAEDによる蘇生に成功しています。しかもそのうち6例は除細動の訓練を受けていない通行人が行ったものでした。
  AEDは空港のほか学校や競技場、ホールなどに設置されています。
 日本では、日本航空の国際線が2001年暮れよりAEDを搭載し、訓練を受けた客室乗務員が緊急時には除細動できるようになりました。しかし、一般的な普及にはまだ時間がかかりそうです。
 日本循環器学会では、幅広い人々によるAED使用推進と、公的場所や乗り物などへのAED配備、またパトカーへの搭載などを提言しています。

よきサマリア人法
 アメリカには「よきサマリア人法」という法律があります。聖書の挿話から名づけられました。
 善意の人が救命行為を行った結果、うまくいかなかった場合の過失責任は免除されるというものです。日本でも民法上はまず同様に扱われると思いますが、一般の人が勇気を持って救助するためには、このような法律があるとよいかもしれません。

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