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運動のすすめ

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運動のすすめ

心臓病にならないために

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して全身の臓器に必要な血液量を送れなくなった状態をいい、あらゆる心臓病の終末像です。心不全を予防するためには虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)を代表とする心臓病を防ぐことが第一です。このためには、虚血性心疾患の危険因子となる高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満といった生活習慣病を予防することが大切です。
 そこで、運動習慣を生活に取り入れることをぜひお勧めします。
 これまでの研究では、身体活動度が高い人、また身体運動能力の高い人ほど虚血性心疾患の発症率が低いという報告があります。肉体労働と座業を比べると、座業のほうが虚血性心疾患を発症しやすく、また運動能力の低い人ほど虚血性心疾患のリスクが高いといわれています。
 運動量の目安としては、左表のような中等度の運動を約三〇分、できれば毎日行いましょう。

心臓病再発予防に効果的な運動療法
 虚血性心疾患などの心臓病を有する人にとって、運動療法はきわめて有効です。最近はリハビリテーションの一環として、運動療法の指導をしてくれる病院が増えています。  運動療法の効果として、
1運動耐容能の改善(以前より運動ができるようになる)
2心臓のポンプ機能などの改善
3筋肉の機能と筋肉に栄養を送る血管機能の改善
4リラックスした状態をつくる副交感神経の活性化
5生活の質(QOL)の改善
6入院が減り、心臓死も減少する

などがあげられます。
心臓病予防のための運動図解
以前は、心不全のある患者さんは運動を避けるように指導されていました。確かに、心不全を起こした直後の不安定な状態や、心機能が著しく低下している状態で運動することは大変危険です。しかし、うっ血が改善し、状態が安定した慢性心不全の患者さんでは、適切な運動療法が効果的であるといわれています。
 心不全の経験のある方たちを対象とする運動療法は、専門医の指導のもとで行うことが重要です。ここではニューヨーク心臓協会(NYHA)の心機能分類でI度(心疾患はあるが日常生活で症状がない)あるいはII度(安静時、軽労作時に症状はないが、強い労作時に疲労や動悸が生じる)の患者さんに対する運動療法の一例を紹介します。
 運動の種類は、歩行、サイクリング、水中歩行などのリズミカルな中等度の運動が効果的です。時間は一日二〇〜三〇分、できれば毎日行いましょう。
 運動の強度は、となりの人と話ができる程度が良く、息がはずみ、話がとぎれるようでは強すぎます。
 運動強度の主観的な評価法に「ボルグの指数」というものがあります。この十三段階の「ややきつい」程度が自覚的な目安です。
主観的運動強度 図解
再発予防運動の目安は?

ボルグの指数 心臓による入院および心臓病を起こさなかった率
運動療法の慢性心不全に対する効果
アメリカの循環器専門誌(Circulation)に一九九九年発表された報告では、九十九人の慢性心不全患者を二群に分け、中等度の運動療法を十四ヵ月続けた群とまったく運動しなかった患者群を比較検討したところ、運動療法実施群のほうが、心臓病による入院および心臓死を起こさない率が有意に高かったという成績が出ています。
 
日本心臓財団より

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