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虚血性心疾患の予防法

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虚血性心疾患の予防とは
監修: 石川 欽司先生(近畿大学医学部付属病院病院長第1内科教授)
 虚血性心疾患と呼ばれている狭心症や心筋梗塞などを予防するには、その原因となる危険因子を知り、取り除くことが必要です。その危険因子には、高脂血症、高血圧、喫煙、糖尿病、高カロリーな食生活、肥満、運動不足、ストレスなどがあります。これらの危険因子をご覧になって「生活習慣病」という言葉がピンときたら、あなたは予防の第一ステップに立っているといってよいでしょう。
 虚血性心疾患は、食事や運動、喫煙など生活習慣の積み重ねが発症の引き金になっています。また危険因子にある高脂血症、高血圧、糖尿病も、その多くは生活習慣が原因です。


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予防は生活習慣改善と定期検診がカギ
 多くの場合、虚血性心疾患には前兆としての症状があります。動悸や息切れが代表的なものですが、それを加齢によるものと思い、見過ごしてしまう人が多いのです。また狭心症の症状は胸痛と思っている人も多いのですが、痛みはなくとも呼吸が一時しにくいといった胸の違和感を感じたら、まず専門の医療機関に相談しましょう。
 また、四〇歳を過ぎたら年一回は定期的な検査を受けるようにしましょう。その際に、運動後にとる心電図(運動負荷心電図)も検査するとよいと思います。
 日頃の生活習慣の改善と定期検診を行うこと、もし高脂血症や高血圧、糖尿病があれば、その治療をしっかり行うことが大切です。

 


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生活習慣改善の効果は大きい
 生活習慣の改善が大事といわれても、それがどれほどの効果があるのか疑問に思われている人もいるかもしれません。ここでアメリカで行われた試験を一つ紹介しましょう。
生活習慣変更群として、二八人に低脂肪食、週三時間以上の運動、禁煙、さらにストレス解消のため一日一時間ほど瞑想するなどして、約一年間生活してもらった後、従来と変わらない生活をしている二〇人と比較しました。その結果、生活習慣変更群は体重が一〇・一kg減り、コレステロールも二四・三%減少しました。さらに冠動脈造影の結果、生活習慣変更群は動脈硬化が八二%改善し、逆に従来生活群は五三%悪化していました。生活習慣を変えることで冠動脈硬化を明らかに改善できることがわかった試験です。
 また喫煙についても、一日にタバコを一箱吸うと虚血性心疾患は二倍、二〜三箱だと三〜四倍起こりやすくなります。禁煙は確実な予防法の一つです。

 

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ストレスと心筋梗塞
ストレスと心筋梗塞図解  虚血性心疾患の発症にはストレスも大きくかかわっています。
 アメリカのロサンジェルス近郊のノースリッジで一九九四年一月十七日に大地震があり、その日、心筋梗塞など虚血性心疾患を原因とした突然死が急増しました。その地区の心臓死は一日平均一五・六名だったのが五一名となり、それも多くの人が地震後一時間以内に亡くなっています。地震の翌日以降、心臓死が減少しており、地震当日にストレスが引き金になって亡くなった人が多かったことがわかります。
 ノースリッジの一年後に阪神淡路地震が起こっていますが、その調査でも虚血性心疾患による死亡が前年に比べ一・五 倍に増えています。さらに時間帯別死亡をみると、不安やストレスが高まる深夜に多くなっています。
 極端な例ですが、ストレスが虚血性心疾患を発症させ、突然死につながることもあります。

 

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