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虚血性心疾患の早期発見のポイント(2001年発行)

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虚血性心疾患の早期発見のポイント
監修: 竹越 襄先生(金沢医科大学学長)
こんな症状があったら(狭心症・心筋梗塞)
虚血性心疾患を疑ってみる
 虚血性心疾患は、昼夜休まず働いている心臓の筋肉(心筋)に酸素と栄養を送り届けている冠動脈という血管の異常から起こります。ですから、別名冠動脈疾患とも呼ばれています。冠動脈の内側が動脈硬化あるいは血管平滑筋の収縮で狭くなり、心臓に十分な酸素と栄養の補給ができなくなることが異常の原因です。虚血性心疾患の代表的な病気には狭心症、心筋梗塞があります。
 虚血性心疾患に早く気づくには、初期の自覚症状を知ることが大切です。

 


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数分間、胸、肩から背中にかけて痛む(50歳、ビジネスマン)
胸が痛むAさんの場合イラスト  コンピュータ関係のビジネスマン、Aさんは過密なスケジュールで仕事をする毎日。帰宅も深夜になることが多い。7年前、健康診断で軽い高血圧を指摘されたが、治療はしていなかった。寒い朝、通勤途中で突然、胸、肩から背中にかけて痛みが走った。しばらく痛みをこらえていると2、3分で治まった。父親が心筋梗塞で亡くなっていることから心臓のことが少し気になる。
診断イラスト
 狭心症の疑いがあります。代表的な症状は胸痛ですが、歯やアゴの痛み、腕や肩の痛み、喉が詰まるなど、現れる症状はさまざまです。痛みは5分以内に消失するのが特徴です。
 


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突然、激烈な胸の痛みが長く続いた(58歳、学校教師)
 管理職のBさんは運動嫌いで知られている。退職したら書斎にこもり読書三昧が夢だ。ある夜、会議で遅くなり、タクシーで帰宅する途中、激しい胸の痛みに襲われた。痛みはなかなか治まらず、ただごとではないと感じた。今まで狭心症の経験はない。
 
診断イラスト 激しい胸痛が収まらない場合、第一に心筋梗塞が疑われます。狭心症と同様、胸部以外にもさまざまな部位に痛みを感じることがあり、ときに激しい腹痛で消化性潰瘍と間違われる場合もあります。痛みは15分以上持続するのが特徴です。すぐに救急車を呼びましょう。

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駅の階段を昇るとき息切れしてしまう(60歳、主婦)
階段を上ると息切れがするBさんの場合イラスト   主婦業三十数年のCさんは、更年期の頃から太りはじめ、3年前の成人病検診で軽い糖尿病と診断された。グルメのCさんにはショックで、初めは運動や食事に気をつけていたが、だんだんもとに戻ってしまっている。最近、駅の長い階段を昇っていると、息切れがして、途中で一息入れないと上まで行けなくなってきた。
診断イラスト心臓の働きが弱った状態になると少しの運動でも息切れします。この人の場合は肥満が原因かもしれません。しかし、息切れは虚血性心疾患による心機能低下の一つです。精密検査を受けておくとよいでしょう。

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風邪でもないのに咳や声がかすれる(75歳、年金生活者)
75歳Dさんの場合イラスト Dさんは会社を定年退職するころに狭心症を患った経験がある。50歳代から高血圧があったが、降圧薬は飲んだり飲まなかったりしていた。最近、風邪でもないのに咳や声がかすれることがあり、夜は枕を高くして寝ないと寝つけず、夜中に何回もトイレに立つ。疲れやすいため外出はせず、家にいることが多い。
診断イラスト 風邪でもないのに咳がでる、声がかすれる、夜間の尿量が増すというのは、心不全の初期症状にときどきみられます。心不全は心臓のポンプ機能の衰えにより起こるもので、息切れ、疲れやすい、むくみが主症状です。虚血性心疾患が原因であることがしばしばです。

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40歳を過ぎたら欠かせない定期検診
 胸に痛みや息苦しさ、不安感など違和感を感じたら、専門の医師に診てもらうようにしましょう。
 虚血性心疾患の危険因子には、高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などがあります。自覚症状のないこれらの状態が重なると虚血性心疾患になりやすいため、40歳をすぎたら1年に1回定期検診を受けることが大切です。また運動や食生活にも気をくばりましょう。とくに親、兄弟に狭心症や心筋梗塞患者がいる方は、早いうちから予防を心がけてください。
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