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狭心症と心筋梗塞

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狭心症と心筋梗塞
監修: 永井良三先生(東京大学大学院医学系研究科循環器内科教授)
狭心症に早く気づくために
胸痛だけではなく症状はさまざま
動脈硬化の危険因子  狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患は、心臓の筋肉(心筋)に血液(酸素と栄養)を供給している冠動脈という血管が、動脈硬化などにより狭くなったり詰まった結果、心筋の血液が不足して発症します。
この虚血性心疾患は生活習慣病の一つであり、社会の高齢化および欧米化とともに増加傾向にあります。危険因子には糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などがあげられ、この危険因子が二つ、三つと重なると、それぞれが軽度であっても虚血性心疾患を発症しやすくなります。
 危険因子を複数持っている人は生活習慣を見直し、発症を予防するようにしましょう。
 狭心症の代表的な症状は前胸部痛で、胸の中央、あるいはやや左のところに締めつけられるような痛みを感じます。痛みの続く時間は長くても15分までです。狭心症には、重いものを持って坂道を上るとか、急いで階段を昇ったときなど、活動に伴って起こるもの(労作性狭心症)や、安静時に起こるもの(安静時狭心症)があります。
狭心症の症状は胸痛以外にもさまざまで、左肩の肩こり、歯の痛み、喉の締めつけ感、鎖骨あたりの痛み、焼き芋を食べたような胸焼け感などを感じることもあります。また広範に冠動脈硬化があると、活動時の息切れとして現われることもあります。虚血性心疾患の治療には早期発見が大切です。何かしら胸に違和感を感じたら心臓の専門医に相談しましょう。

 


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心筋梗塞の前兆を知る
発作の前に前兆が現われることも多い  心筋梗塞は冠動脈の一部が完全に閉塞し、心筋が部分的に壊死してしまう疾患で、生命も危険な状態になります。症状は突然、今まで経験したことのない激しい胸部痛に襲われ、冷や汗、嘔吐感を催し、15分以上続くといったものが一つの典型ですが、こうした発作の前に前兆が現われることも多く、それに気がつけば発作を予防することができます。
 すでに狭心症がある人では、発作のパターンが変化してきた、発作が数日前から頻回に起こる、あるいは今まで飲んでいた薬が効かなくなったというときは要注意です。これまで狭心症と診断されたことがない人でも、胸の圧迫感を感じるようになり、冷や汗をかくといったことが数日おきに起こるようになり、その発作の頻度が徐々に増えてきたといった場合は、心筋梗塞に移行しやすい不安定狭心症の疑いがありますから、すぐに専門医を受診してください。


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狭心症、心筋梗塞の治療
風染療法とステント留置  狭心症、心筋梗塞の疑いがあるときは、腕や太腿の動脈から心臓の血管内まで細い管(カテーテル)を入れて、狭くなっている場所を確認する冠動脈造影検査を行います。狭くなっている血管が見つかると、その部分を風船で広げる治療(風船療法、PTCA)が行われます。最近はステントという金属の網でできた管を、広げた血管の中に留置して、再発を防止する方法も行われています。
 また外科治療として、体の他の部分の血管を使って迂回路を作り、狭くなった部分を通らずに血液の流れを回復させる冠動脈バイパス手術(CABG)があります。
 狭心症の場合は、症状によっては薬物療法を行い様子をみることもあります。
 将来的な治療法として、遺伝子治療を取り入れた研究も盛んに行われています。血管の内皮細胞を増殖させる遺伝子を注入して虚血部位の改善を図る治療法で、現在は実験段階ですが、将来、期待される治療法として注目されています。

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