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期待される21世紀の心血管病対策

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期待される21世紀の心血管病対策
 
ライフスタイルの変化と心血管病
  主要死因別にみた死亡率図解 心臓病の多くは心臓の筋肉(心筋)に血液(栄養)を送っている冠動脈という血管の異常が原因です。その冠動脈の内側(内腔)が動脈硬化などにより、狭くなったり詰まったりして、心筋に血液が十分に供給できないために胸痛発作を起こすのが狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患です。心疾患による死亡率はがんに次いで第二位ですが,そのうち虚血性心疾患による死亡率(人口十万対)をみると、近年急増しており、五十年前の昭和二十五年には九・九であったのが平成九年には五七・四と、約六倍にもなっています。

 疾病の要因を大別すると、加齢と遺伝要因そして環境要因(生活習慣など)があげられますが、虚血性心疾患の増加は、明らかに環境要因の変化によるものです。もっとも大きな変化は日本人のライフスタイルの変化、とくに食生活の欧米化による動脈硬化の増加です。以前の低カロリー、低たんぱく、高食塩食から高カロリー、高脂肪食へと変わりました。そのため、日本人のコレステロール値は年々増加し、近年は低下傾向にあるアメリカ人と変わらなくなっています。また、自動車社会による運動量の減少や、情報化、高速化が一段と進展した社会の中でのストレスの増加も影響していると考えられます。
  心疾患の死亡率グラフ虚血性心疾患の増加は、明らかに環境要因の変化によるものイラスト日本人のコレステロール値は低下傾向にあるアメリカ人と変わらなくなっているイラスト

 


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21世紀の国民健康づくり運動
「健康日本21」とは
 厚生省は平成九年に、それまで「成人病」と呼んでいた、がん、脳卒中、心臓病を「生活習慣病」と呼び改め、病気の環境要因となる食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒を上手にコントロールして病気にならない生活をめざすことを提唱しました。これまでの成人病対策では、早期発見、早期治療といった「二次予防」に力を入れていましたが、生活習慣病対策では、健康増進、発病予防に力点を置いた「一次予防」、すなわち健康的な生活習慣の確立が重視されます。
 そのための国民の健康づくりの指標として「健康日本21」が提案されています。「健康日本21」は平成二十二年(二〇一〇年)を目標年として、健康で明るく元気に生活できる社会を実現するために、一日の食塩摂取量を三グラム減少させるといったような具体的な数値目標を掲げています。

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将来期待されるオーダーメイドの医療
   「健康日本21」が日本人全体の健康を目指すものとすれば、次に行われるべきは、それぞれの人の特徴に合わせたオーダーメイドの医療です。
 政府は新千年紀を迎えるにあたって「ミレニアム・プロジェクト」を提唱していますが、その中に臨床医学にかかわるものとして、疾病関連遺伝子の解析があります。
 現在、ヒトの遺伝子を解明すべく世界でヒトゲノムプロジェクトが進行しています。ヒトの三十億に及ぶ塩基配列をすべて解明するのは二〇〇三年頃といわれています。それをベースに、すでにわかっている疾病関連遺伝子に加えて、次々と新しい疾病関連遺伝子が明らかになってくるでしょう。
心血管病の原因となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの関連遺伝子が明らかになれば、各人の遺伝子診断で発病が予測できたり、また最適な治療が考えられるようになります。個々の特徴に合わせた医療が可能になると期待されます。
 しかし、心血管病の予防において一番大切なことは、私たちひとりひとりの自覚による生活習慣の改善です。健康な長寿社会を迎えるために心臓を大切にしましょう。

 

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