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循環器疾患の検査法

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循環器疾患の検査方法
監修 友池 仁陽先生 (山形大学医学部第1内科教授)
大切な初診時の問診
自覚症状はなくても検査を・イラスト 循環器疾患には緊急に対処を要する病気が多く、迅速で正確な診断と治療が求められます。動悸がある、脈が乱れる、胸が締めつけられる、胸が痛む、すぐに息切れする、呼吸が苦しい、失神することがあるといった症状があるときは、ためらうことなく、かかりつけの医師に受診・相談することをおすすめします。また、自覚症状はなくても、職場の検診や住民検診、人間ドックなどで精密検査を受けるよう指示されることもあるでしょう。
 病院では医師が初診時の問診と診察の結果から、病気の原因と重症度評価のために必要な検査を計画します。したがって受診の際は、自分の症状を医師にくわしく伝えることが大切です。このことによって、診察の精度は格段によくなり、原因となる病気だけでなく合併する疾患の見落としもなくなります。
 ここでは循環器疾患が疑われる場合に行われる検査にはどのようなものがあるか紹介しましょう

 

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循環器疾患検査のいろいろ
・胸部レントゲン撮影
心臓の検査・イラスト
 胸部X線写真は健康診断にも活用されていますが、解離性大動脈瘤など生死に関わる循環器疾患の有無を判別する点で欠かせません。また心不全の兆候となる心拡大や肺うっ血の評価ができます。

 

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・心電図(負荷心電図、ホルター心電図)
トレッドミル・イラスト  心電図は皮膚表面に貼った電極から心臓の電気的活動の時間的変化をグラフとして記録するものです。その波形の形、大きさ、リズムが診断情報になります。心電図は脈拍不整の原因がどこにあるのかを見出すことができます。狭心症、心筋梗塞、心筋肥大、心臓拡張は、心電図の波形の変化から重症度や経過を診断することができます。
 安静時に検査をしたときは正常でも、発作性に異常が出る場合があります。たとえば、運動をすると胸痛発作が起こる労作性狭心症では、ベルトコンベアの上を歩くトレッドミルや自転車エルゴメーターを用いて運動している状況を再現し、心電図の変化から確定診断を得ることができます。また、誘因が不明で、いつ起こったか自覚症状が出にくい不整脈や狭心症の場合は、二十四時間連続測定可能な携帯用ホルター心電図やテレメーター心電図を使います。

 

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・冠動脈造影法(心臓カテーテル検
ステント法・イラスト
 心臓は二十四時間休みなく収縮と弛緩を繰り返します。身体の中で一番の働き者である心筋に血液を供給する栄養血管は冠動脈ですが、動脈硬化が生じやすい血管でもあります。狭心症や心筋梗塞の原因となる冠動脈の硬化を診断する方法として、冠動脈造影が普及してきました。最近では日帰り検査を行う病院もありますが、虚血性心臓病は生活習慣病として冠動脈硬化以外の病気を随伴することがありますので、入院検査が主流になっています。
冠動脈造影は直径が二ミリ前後の細い管(カテーテル)を太もものつけ根や前腕の動脈から挿入し、その先端を冠動脈まで導き、造影剤を注入してその血管造影像をX線で撮影します。診断と同時に狭窄部位にバルーンカテーテルを挿入し、狭くなった所を押し広げたり、ステント(メッシュ状の金属)を留置する治療法も行われています。

 

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・核医学検査

 γ線を放出する放射性同位元素を含む薬剤を静脈注射し、特殊なカメラで放射線を撮影してその分布を画像にする検査法です。狭心症や心筋梗塞などがあると、血液が十分に供給されない部位で同位元素の取り込みが低下してきます。また、心筋の収縮・拡張、交感神経活動、エネルギー代謝など心臓の機能面も画像表示できるものも開発され、広く活用されています。

 

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・心エコー(超音波)検査
エコーの写真
 超音波断層法では心臓の動きを二次元でリアルタイムに描出します。Mモード心エコー法では心筋の収縮や弁の動き、心室壁の厚さなどがわかります。またドプラー法では血液の流れをみることができます。このようにいろいろな超音波情報から心血管系の解剖学的変化と心機能障害の重症度を判定することができます。最近は三次元画像を描出する機器も開発されています。
 このほかCT(コンピュータ断層法)やMRI(核磁気共鳴イメージング)といった精度の高い断層撮影も行われます。眼底検査も動脈硬化や糖尿病性変化など血管病変の質と程度を知る手だてになっています。また、血液検査では心臓から分泌される微量の物質を測定できるので、心不全の重症度や治療の経過を判定する指標として活用されています。

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