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循環器疾患予防のための運動

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循環器疾患予防のための運動
監修: 村山 正博先生(聖マリアンナ医科大学第2内科教授)
○運動とは何か―循環器疾患予防に効果的な有酸素運動
 
 運動というと体操服に着替えて汗を流す、
また野球、テニス、サッカーといったスポーツを思い浮かべる人が多いようです。
それも運動の一つですが、身体を動かすという広い意味では、
横になって静かにしている以外はすべて運動といえます。
ですから、自分の体力や目的に合った運動をすることが大切です。
たとえば、急性心筋梗塞の患者さんに医師は薬の処方と同じように運動処方を出しますが、
その場合の運動とは、最初は床に起き上がる、食事をするといった処方から、
回復してくると何分間の歩行といった、
健康な人が意識しないような運動が処方となります。
 また、循環器疾患の予防、再発予防のために適する運動としては、「有酸素運動」が効果的です。
有酸素運動とは、呼吸をしながら酸素をエネルギーに換えて、長時間続けられる運動で、
ウォーキング(歩行)、ジョギング(走行)、水泳、サイクリングなどがあります。
有酸素運動は、心肺機能を高めるとともに
循環器疾患の危険因子である高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、ストレスなどを
予防、改善するのに役立ちます。


有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング)→○心臓にやさしい
無酸素運動(重量挙げ、短距離走、腕立て伏せ)→×心臓に負担

 

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○脈拍数に親しもう
イラスト・脈拍 有酸素運動をどのように行うのがよいでしょうか。
たとえばウォーキングは少し速足で、軽く汗ばむ程度、
ジョギングはとなりの人と話し合える程度といった軽い運動が効果的です。
心臓病のある人なら、ぶらぶら歩きで脈拍が少し増える程度でも、ある程度の効果はあります。
そうした運動の目安は脈拍数でチェックするとよいでしょう。
脈拍数が1分間に90〜100拍程度 (特別な心臓病がなければ110〜120拍程度まで可能) です。
健康な人であれば、その範囲では息切れは起こらず、
動悸や目まい、胸の痛みを起こすことはありません。
脈拍数は簡単に測れます。脈拍を測ることで自分の心臓に親しみを持ちましょう。
 運動は毎日できればよいですが、無理であれば週3回、30分以上を目標にしてください。
 

 


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○ウォーキングのすすめ──合理的な1日1万歩
 有酸素運動でもっとも簡単にできるのが歩くことです。
以前、厚生省の調査で万歩計を6800人につけて調べたところ、平均1日6600歩でした。
年齢別でみると30〜40歳代は約7500歩、50歳代6900歩、60歳代6000歩、70歳代3700歩でした。
 1万歩はおよそ1時間半歩き続けた歩数といわれています。
通勤の際、バスの停留所を1つ手前で降りて歩くとか、買物の帰りに遠回りして少し歩くようにするといった工夫をすれば、

1日1万歩は難しい数字ではありません。
 アメリカで、循環器疾患にならないためには1週間に2000キロカロリーの運動をするのがよいという研究報告があります。
1日に換算すると約 300キロカロリーで、これは1日1万歩を歩く運動量です。
このことからも1日1万歩が合理的な運動量であることがわかります。
運動するときの注意
  • 食後すぐに運動はしない。2時間の間隔をおく。
  • ジョギングなどの場合は急に走らずに体を温め、筋肉をほぐす準備体操(ウォーミングアップ)をする。終わった後も呼吸を整え、徐々に体を冷やすように整理運動(クーリングダウン)を行う。
  • 寝不足や体調の悪いときは無理をしない。
  • 心疾患のある人は、どのような運動がよいかを医師に尋ね、指示に従う。

 

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○コラム:AT(無酸素閾値)
イラスト・0コラム 運動の強度を上げていくと取り入れた酸素の供給が追いつかなくなり、無酸素でエネルギーをつくる状態に切り換わります。その換わり際をATといっています。ATを超えると筋肉から疲労物質(乳酸)が血中に放出されます。また心臓への負担も大きくなります。有酸素運動とはATを超えない運動をいいます。血中に乳酸は放出されず長時間持続した運動ができ、心臓への負担も少なく、脂肪をエネルギーとして多く使うため高脂血症の改善にもなります。

 

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