Vol.15
(病院掲示用壁新聞)
| ストレスと循環器病 |
| 監修:堀 正二先生(大阪大学医学部第1内科教授) |
| ストレスは循環器病の危険因子 ―ストレスは交感神経を刺激する |
| 現代社会はストレスの多い社会だといわれています。この場合、ストレスは精神的ストレスをさしています。具体的には不安や緊張、怒りなど心理的なものです。ストレスはそのほか、暑さ、寒さ、騒音といった物理、化学的な刺激、また飢え、感染、過労など生理的なものがあり、一様に生体にとって不快を催すものをいいます。
ストレス反応とはなにか。一つたとえ話をしましょう。狩猟時代の祖先が猛獣に出合ったとします。その場から逃げるか、闘うか。脈拍が激しくなり、血管は収縮し、血圧は上昇します。とっさの動きに備えてエネルギーとなる糖分が血液中に増えてきます。こうした一連の生理反応がストレス反応です。精神的緊張、不安が持続すれば、こうした一連の生理反応が慢性化します。ストレス反応は脳が刺激を受けて自律神経系の交感神経を興奮させることで起こります。ちなみに自律神経系には生体を緊張させ活動性を高める交感神経と生体を休息に導く副交感神経とがあり、そのバランスが健康生活には重要になってきます。 |
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| 交感神経と循環器病の関係 | |
| [高血圧] | |
| 生体は精密な化学工場のようなものです。交感神経が興奮すると神経終末部・副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。それが血液中に増えると血管が収縮し、心拍数をあげ、心臓の収縮力を増して血圧を上昇させます。降圧薬の一つにβ遮断薬がありますが、この薬は交感神経の作用をブロックすることで心拍数の上昇、心収縮力の増強を抑えているのです。 | |
| [心筋虚血] | |
| (心臓の筋肉に酸素と栄養素を補給している冠動脈に血液量が不足する状態)
私たちの体には、昼は活動的で、夜は休むようなリズムがあります。昼は活動型の交感神経が優位になり、夜は休息型の副交感神経が優位になります。交感神経は朝方から活発になってくるため、特に午前中に冠動脈の収縮が起こりやすく、心筋梗塞などを発症したりします。また交感神経の興奮は血栓をつくりやすくし、これも心筋虚血を招く一因になっています。 |
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| [不整脈] | |
| 交感神経が興奮すると心臓の収縮―拡張運動に異常を起こすことがあります。そのことで脈が一定せずバラツキが出て不整脈になります。心不全や心筋梗塞を起こすと危険な不整脈が発生して突然死することがあります。 | |
| [糖尿病] | |
| 交感神経の興奮は血糖値の上昇を招きます。精神的ストレスは糖尿病患者の血糖コントロールを悪くすることがわかっています。糖尿病は動脈硬化の危険因子でもありますから、循環器病を発症しやすく、ストレス予防とともに糖尿病の予防が大切です。 | |
| *ストレス反応には 下垂体系―副腎皮質系反応も関係しますが、 本図では省略しました |
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| 白衣高血圧 |
自宅では正常血圧でも、病院に行き、医師や看護婦に血圧を測ってもらうと血圧が上がる人がいます。最近これを白衣高血圧といっています。 しかし、白衣高血圧例でも臓器障害に進展するケースもみられることがあり、 |
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1 なにごとにもくよくよせず、あせらず前向きな気持ちで対処する。
2 気分転換もかねて毎日適度な運動をする。 (運動は交感神経活性を亢進させますが、それにブレーキをかける副交感神経活性も亢進するため有効です)
3 十分な睡眠をとる。
4 禁煙をする。 (タバコに含まれているニコチンは交感神経活性を亢進します)
5 適度なアルコールを嗜む。 (適度なアルコールは副交感神経を刺激します。適量はビール大瓶1本、日本酒1合程度)
6 気持ちを大きく持ち、ゆっくり深呼吸をする。 (腹式呼吸はヨガなどにもみられるように副交感神経を活性化します)
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