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高齢者の心不全

心不全の初期サイン-早期発見のために-

高齢者の心不全は、症状がはっきり現れないことも多く、症状があっても「年のせい」と思い込み、放置していることが少なくありません。しかし、進行してからでは治療は難しいため、いかに早く見つけて、治療を始めるかが、その後の人生を左右します。ここでは早期発見のためのポイントを紹介します。

まず覚えておいていただきたいのが、「いままでできていたことができなくなったら、心不全を疑う」ということです。年をとると、体力がなくなり、坂を登っただけで、「ゼィゼィ」「ハァハァ」することがあります。しかし、このような変化は、急に起こるわけではありません。少し前はできたことができなくなったり、急に体力が落ちたと感じた場合、心臓に何らかの異常がある可能性があります。「少し歩いただけで息切れがする」「重い荷物を持って歩けなくなった」など、普通にできていたことが大変になったら、「老化」と片付けず、かかりつけ医に相談するようにしましょう(図14)

図14:心不全の危険サイン

図14:心不全の危険サイン

また、「むくみ」や「体重増加」も心不全の前兆です。心臓の機能が低下すると、血液の流れが悪くなり、体全体に水が溜まりやすくなります。水分がまわって腫れる症候であるむくみは、「浮腫」ともいわれ、体を起こしているとたまった水は下半身に移動するため、通常は下肢に見られます(写真1)。心原性の浮腫では、浮腫のある部分、例えばすねや足の甲を指で押さえつけると、そのままへこみ、圧痕が残るという特徴(圧痕性浮腫:pitting edema)がみられます(写真2)。浮腫が進むとたまった水分の分だけ体重も増加します。

写真1:心不全で浮腫を起した足 / 写真2:圧痕性浮腫

写真1(左):心不全で浮腫を起した足 / 写真2(右):圧痕性浮腫

理由なくむくみが出たり、短期間で体重が増えたりした場合は、早めの対処を心がけてください。

そのほか、「疲れやすい」「咳が出る」「食欲不振が続く」といった症状も心不全の危険サインです。どれも一見、心臓とは関係ないように思えますが、こうした症状も見逃さないようにしましょう。

初期症状にとくに敏感であってほしいのが、心不全の誘引となる病気をもっている方々です。心筋梗塞や弁膜症、不整脈をはじめとするすべての心臓病は、心不全の原因となります。また、動脈硬化の危険因子としても知られている高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病、喫煙、過度の飲酒、塩分の摂り過ぎ、運動不足、過労、ストレスといったことも心不全を起こしやすい要因となります。高齢者では、こうした危険因子にいくつも該当する場合が多く、たとえ症状がなくても、自分が心不全になりやすい予備群であることを自覚して、定期的に心臓の検査を受けるようにしましょう。

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