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高齢者の心不全

高齢者の心不全の問題点-フレイルとサルコペニア-

年をとると、休みなく働き続けてきた心臓の機能が衰えて、息切れや疲労感などの症状が現れるようになります。人口の高齢化に伴い、こうした心不全の患者さんは増加し、いまや慢性心不全患者の約70%は65歳以上といわれています。高齢者の大半は、さまざまな原因疾患、多くの既往歴を持っている場合が多く、さらに、独居や老々介護といった問題も抱えています。

また、高齢者では、心不全による入院を繰り返すことが多く、そのたびに生活の質(Quality of Life:QOL)が損なわれてゆきます。

このように、高齢者にとって心不全は、寝たきりの原因であり、QOLを低下させる大きな要因です。さらに、超高齢社会を迎えた現在、「フレイル」や「サルコペニア」との関連も指摘され、問題となっています。

フレイル(Frailty)とは、高齢者の筋力や心身の活力が低下した状態(虚弱)を指す言葉です。まだ障害は起こっておらず、自立した生活はできていますが、風邪や転倒いったちょっとしたことをきっかけに、寝たきりなどの要介護状態になる危険が高まります。

心不全になると、息苦しさなどからあまり動かなくなり、筋力が低下して、フレイルの状態になります。また、もともとフレイルで栄養状態が悪い人が心不全を起こすと、治療は難しく、なかなか症状は改善しません。フレイルでは、腎機能が低下しますが、そうなると心臓にも負担がかかり、むくみの原因になります。このように、心不全とフレイルは互いに悪影響を及ぼしあうため、自立した老後を送るためにも、心不全が軽症なうちから、適切な対処をすることが重要です。

一方、サルコペニアは、ギリシア語で「筋肉」を意味するサルコ(sarco)と「喪失」を表すペニア(penia)の造語で、筋肉量が減少して、筋力や身体機能が低下している状態(筋力低下)のことをいいます。サルコペニアを進める原因としては、加齢のほか、長期安静による筋萎縮、栄養不良、心不全やがんなどの慢性疾患があります。高齢の心不全患者さんは、入院中、長期間安静にしていたり、ふだんからほとんど運動を行わない生活を送っているため、筋力が低下し、サルコペニアが進行しやすいため、注意が必要です(図5)

図5:サルコペニアと心不全の関係

図5:サルコペニアと心不全の関係

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